2022 Fiscal Year Research-status Report
魚介類摂取と血中炎症性因子に着目した脳内炎症・認知症制御の地域研究
Project/Area Number |
22K10563
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
西尾 信宏 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00278631)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 炎症 / 食事調査 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症対策は喫緊の課題であるが、治療薬の開発は困難を極め予防対策が重要となっている。ことにアルツハイマー型認知症治療については、初めてのかつ唯一のアルツハイマー病の病理に作用する治療薬としてアデュカヌマブが近年米国FDAより迅速承認を取得したが、投与の対象となる患者は限られ、アルツハイマー型認知症発症機序の解明と予防策の確定が求められている。 一方近年いくつかの神経精神疾患について、脳内および全身性炎症との関連に注目が集まり、知見が集積しつつある。 JPHC研究では野崎らが魚介類・n-3系多価不飽和脂肪酸との摂取量が認知症のリスク低下と関連するが、軽度認知障害との関連はみられなかったと報告した。1)近年認知症の脳内炎症としての側面が報告され、他の脳内炎症に起因する疾患との近縁性が注目されるようになった。頭痛は認知症に伴う症状として知られているが、ラムズデンらは片頭痛の成人患者の食事において、高n-3系脂肪酸食と高n-3系+低n-6系脂肪酸食は、平均量の食事と比較して、頭痛の頻度と重症度を軽減することを二重盲検法で示し、これは頭痛の病因に関与する生理活性メディエータに変化によると報告した。2)本申請研究は地域住民に精度の高い食事調査を行い、n-3系多価不飽和脂肪酸、カロリー摂取と各種血中因子との関連を追跡調査することにより、あわせて認知機能調査脳内炎症と有用な老化および認知症制御因子を確立することを目的とする。本研究は脳内炎症に伴う広範な疾患の解決の糸口となる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初より自治体主導の地域住民の健診と時期を合わせて、栄養調査および血液検査を実施する予定であり、研究開始2年目に調査の主体である、栄養調査と血液検査を実施する準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度の調査において収集する栄養調査と血液測定に補助金の主要な部分を使用する予定である。
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Causes of Carryover |
当初より自治体主導の地域住民の健診と時期を合わせて、栄養調査および血液検査を実施する予定であり、研究開始2年目に調査の主体である、栄養調査と血液検査を実施する準備を進めている。また補助金の大きな部分は、栄養調査と血液検査に充てる予定である。
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