2022 Fiscal Year Research-status Report
データサイエンスを駆使した地域医療における服薬適正化対策への支援と検証
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22K10568
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
細見 光一 近畿大学, 薬学部, 教授 (90581744)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | デー タサイエンス / 服薬適正化 / ポリファーマシー |
Outline of Annual Research Achievements |
データサイエンスの手法を駆使し、行政や医療機関による服薬適正化・ポリファーマシー対策の実施効果、およびRWDからデータマイニングによって生成された仮説の検証を研究の目的としている。地域医療を担う行政や医療機関による服薬適正化・ポリファーマシー対策を適切に支援・検証するために、指標となる因子の明確化が必要となる。それに向けて、レセプトデータを解析し指標となる因子の抽出を検討した。 ポリファーマシー特有の潜在的不適切処方(PIMs)について、性別、年齢別、疾患別などのカテゴリー別における関連性をあぶり出した。PIMsは2015年に日本老年医学会が作成した「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」にて定義されている。処方情報データベース(2016年10月分)の解析から、加齢に伴い5剤以上やPIMsを含む処方割合は増加するが、PIMsとの関連性には処方薬剤数が重要な因子であることを確認した。また、薬効分類のうち、中枢神経用薬、消化器官用薬、泌尿生殖器官及び肛門用薬、および代謝性医薬品においてPIMsとの関連性があることを明らかにした。60歳以上の認知症患者において、PIMsに関連する要因を検討したところ、全処方情報と同様に、加齢に伴いポリファーマシーやPIMsを含む処方割合は増加し、PIMsの改善には処方薬剤数に注目すると有用であることが認められた。認知症患者では薬効分類のうち、中枢神経用薬、末梢神経系用薬、消化器官用薬、泌尿生殖器官及び肛門用薬、および代謝性医薬品においてPIMsとの関連性があることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、服薬適正化・ポリファーマシー対策の指標となる因子の抽出を検討し、ポリファーマシー特有の潜在的不適切処方(PIMs)について、加齢に伴い5剤以上やPIMsを含む処方割合は増加するが、PIMsとの関連性には処方薬剤数が重要な因子であることを確認した。、薬効分類のうち、中枢神経用薬、消化器官用薬、泌尿生殖器官及び肛門用薬、および代謝性医薬品においてPIMsとの関連性があることを明らかにした。PIMsと性別、年齢別、疾患別などのカテゴリー別における関連性をあぶり出した。 これまでの解析結果を学会等で公表しており、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画に従って、ポリファーマシー特有の潜在的不適切処方(PIMs)、副作用の発現傾向・リスク因子、未知の関連性などのパラメーターをあぶり出す。得られたパラメーターについて、行政や医療機関による服薬適正化・ポリファーマシー対策の実施前・後における変化を測定し、対策実施効果を評価する。ラメーターに関して、臨床現場へのフィードバック、指針・ガイドライン構築に向けたエビデンス、医療政策への提言、診療・調剤報酬/費用対効果の妥当性を検討し学会・論文発表等の公表を進める予定である。
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Causes of Carryover |
物品費、旅費などの予算が予定よりも抑えられた。レセプトの解析を行う段階的・効率的な作業工程で進めており、今後のレセプトデータベース入手を予定している。
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Research Products
(7 results)