2023 Fiscal Year Research-status Report
大阪府がん登録データとDPCデータを用いた血液悪性腫瘍のリアルワールド解析
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22K10584
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
紀田 修平 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20933352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森島 敏隆 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, がん対策センター 部長補佐 (10728893)
藤 重夫 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 血液内科 副部長 (80650259)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リアルワールドデータ / 急性骨髄性白血病 / 大阪府 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、急性白血病に代表される血液がんは、医学の進歩した現代においても致死的な疾患群である。アンメット・メディカル・ニーズが数多く存在しており、新規薬剤の開発も盛んである。しかし、こうした新規薬剤における臨床試験の成績と、実臨床のデータ、いわゆるリアルワールドデータの成績は必ずしも一致しない。日本人患者を集積したデータばかりではなく、国際共同研究の成績であることもリアルワールドデータとの乖離につながる。また、急性骨髄性白血病においては、化学療法に続いて同種造血幹細胞移植を行う症例が一定数存在するが、民俗学的にも均一性の高い日本人においては、ドナー選択や、同種造血幹細胞移植特有の合併症であるGVHDの発症頻度も異なることが知られており、最適な治療選択が他国と異なる可能性もある。臨床試験の対象とならない患者や、同種造血幹細胞移植を含めたリアルワールドデータの成績を明らかにすることで、治療成績向上の為の施策立案などに寄与することが期待される。本年度は急性骨髄性白血病患者のデータベースを解析し、年齢別の群分けで優位に成績が異なることを明らかにした。これを軸に現在論文作成中である。また、他の血液腫瘍においても新規薬剤が数多く上梓されている。多くのT細胞性リンパ腫は、欧米と比較してアジアで発症率の高い血液腫瘍であり、そのリアルワールドデータの需要は高いと考えられる。これらの疾患においても、2020年以降のデータベースを新規作製し、解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
急性骨髄性白血病のデータは論文化を進めており、また新規データベースの作製にも着手できている。
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Strategy for Future Research Activity |
論文発表し、新規データベースでの解析を行う。また、継続的にデータ取得することで年代別の診療成績を解析、診療成績の改善につなげる。
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Causes of Carryover |
当該年度は使用分で充足しており、次年度への学会出張や論文校正などで使用する。
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