2022 Fiscal Year Research-status Report
タッチサンプルからの単一細胞やヒト常在微生物叢を標的とした個人識別法の開発
Project/Area Number |
22K10600
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
浅利 優 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (40360979)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | タッチサンプル / 個人識別 / 一塩基多型 / シングルセル / 常在微生物叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シークエンサーを用いた個人識別に有効な一塩基多型(SNP)解析法の構築および効率的な細胞単離法の検討を行った。まず、常染色体上にあり、日本人集団においてヘテロ接合度が高く、互いに3センチモルガン程度離れて位置するSNPを対象として検索した。これらのSNPのうち、1153座位を含むプライマーセットを用い、健常な日本人158人より採取した口腔内細胞から次世代シークエンサーiSeq 100(イルミナ)を使用して型判定を行った。1反応あたり10ngのDNAを使用し、AmpliSeq Library PLUS for Illumina(イルミナ)を用いてマニュアルに従って行うことでライブラリー調製を行い、8から12検体を一度に解析した。検出できない領域および平均深度が低い領域を除いて1100座位を選択可能であった。1100座位の平均深度は417、ヘテロ接合体の2つのシグナルの比であるアリルカバレッジレシオは0.8以上が99%と高い数値であった。また、細胞の単離および回収は口腔内細胞を採取直後にゲルフィルム(Gel-Pak)に圧着させ、トリパンブルーで染色したものを試料として、顕微鏡観察下で細胞1つを採取する方法を検討した。微細作業にはメカニカルマニュピュレーターであるラビトル3D(マイクロサポート)を使用した。単一細胞の確認は採取したものを溶解後にSTR型解析により行った。タングステンニードルによる採取、真空吸着法、精密ピンセットによる把持を比較したところ、精密ピンセットを用いた採取が短時間かつ確実に採取可能であることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、日本人集団の識別に有効となるSNP座位が検出でき、効率よく細胞を単離する方法を明らかにすることが可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
選択した1100座位について、採取した単一細胞を用いた解析を行うことでSNP解析の有用性、問題点を明らかにする。また、比較対象として常染色体STR解析を行う。必要に応じて標的座位数が異なるプライマーセットを作製して検出効率や判定成功率の検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた計画が順調に遂行でき、次年度に新たな試料などを追加して解析することが必要となったため。
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