2023 Fiscal Year Research-status Report
タッチサンプルからの単一細胞やヒト常在微生物叢を標的とした個人識別法の開発
Project/Area Number |
22K10600
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
浅利 優 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (40360979)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 悠太 旭川医科大学, 医学部, 助教 (90894262)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | タッチサンプル / 個人識別 / 一塩基多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シークエンサーを用いた個人識別に有効な一塩基多型(SNP)解析法の構築として座位数を増やした解析条件を検討するとともに、単離した細胞から全ゲノム増幅による解析方法を検討した。前年度に検討した1153座位から2061座位へと増やしたプライマーセットを作成して、120人のDNAからSNP解析を行った。1反応あたり標準的な10ngのDNAを使用した場合では2045座位で検出可能であることを確認できた。また、10ngよりも少ないDNA量で判定成功率を検討したところ、1ngや0.5ngでも99%以上と高く、0.1ngを使用した場合でも97%であることが明らかとなった。微量なDNAでは判定成功率以外にもヘテロ接合体のアリルカバレッジレシオが高い数値であった。さらに単離した細胞からの全ゲノム増幅にはPicoplex Single Cell WGA Kit v3(タカラ)を用い、増幅産物はAMPure XP(ベックマンコールター)を用いて精製し、Qubit 4 Fluorometer(サーモフィッシャー)にてDNA濃度を測定した。増幅産物が確認できた場合に10ngを鋳型としてSNP判定を行った。1反応あたりの細胞数は1から5個として検討を行ったところ、細胞1個では安定して増幅産物が得られなかった。一方、細胞2個以上の場合ではDNA濃度が高値となる場合が多く、増幅産物が得られたことをDNA濃度から明らかにすることが可能であった。細胞2個以上を鋳型としたSNPの型判定では細胞数が多くなるにつれて判定成功率が高くなり、特に高い場合では80%程度となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
微量DNAからの高感度な一塩基多型解析法を構築することが可能であり、全ゲノム増幅により単離細胞からの型検出を行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
単離した細胞1個から多くの型判定が可能となる高感度な全ゲノム増幅法を明らかにするとともに、微生物叢の解析を合わせて行う。
|