2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the cardiotoxic mechanism in rats after cocaine administration and the effect of carbon monoxide
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22K10606
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鵜沼 香奈 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授(キャリアアップ) (30586425)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コカイン / 心臓突然死 / アディポネクチン / 収縮帯壊死 |
Outline of Annual Research Achievements |
コカインは麻薬及び向精神薬取締法における麻薬であり、強力な依存性を持つ。近年、日本を含め世界的にコカイン乱用者数、製造量は共に増加しており、死亡者数も増加している。コカインの過剰摂取は、不整脈、心筋梗塞などの重篤な心血管障害を誘導し、重症例では心臓突然死を生起することがあることが分かっている。しかしながら、コカインの心毒性機序と突然死メカニズムの解明は十分されていない。 私は、昨年度までに、ラットにコカイン20 mg/kg/dayを14日間尾静脈から連日投与したコカイン濫用モデルラットにおいて、心臓を解析した結果、心臓における酸化ストレスの増加、左室心筋における広範囲の収縮帯壊死(Contraction Band Necrosis:CBN)、局所の心筋炎、心筋線維組織の増加などの所見が認められることを明らかにした。さらに、コカイン濫用モデルラットの心筋では、アポトーシスの増加、アディポネクチン濃度の上昇が観察された。 これらの知見はコカイン誘発性心毒性のメカニズム解明に寄与すると考えられる。次年度は、アディポネクチンがコカインの心毒性において保護的な役割を果たすか否かの検討と、そのメカニズムに関する詳細な検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた動物実験は完了し、解析も進んでおり、当初の計画以上に進んでいる。しかし、当初はコカイン誘発性心毒性の一酸化炭素の保護効果を検討する予定であったが、アディポネクチンに保護効果がある可能性が示唆されたため、まずはアディポネクチンの保護効果を検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、昨年度までの研究結果から、アディポネクチンがコカイン誘発性心毒性において保護的な役割を果たす可能性について詳細な検討を行う予定である。
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