2022 Fiscal Year Research-status Report
ユビキチンープロテアソーム経路による覚せい剤の依存形成の制御機構の解明
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22K10612
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
水尾 圭祐 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90459735)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Methamphetamine / TRUSS / 精神依存 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究計画に従い、マウスでmethamphetamine依存モデルを作成し、依存形成における脳内でのTRUSSの役割について検討した。Methamphetamine の精神依存形成にはconditioned place preference (CPP)法を用いた。CPP法では条件づけにpre法を用い、methamphetamine (1 mg/kg)を投与し一日60分、6 日間の条件づけを行った。7 日目にテストを行いそれぞれの区画への滞在時間を測定し、CPPスコアを算出し、精神依存の指標とした。Methamphetamine (1 mg/kg) の投与により有意な報酬効果が発現した。このマウスの脳内において、側坐核を含むlimbic forebrainにおいてTRUSS タンパク質の有意な発現減少が認められた。このことより、methamphetamineの精神依存形成時にはTRUSSの機能が低下している可能性がある。そこで、このTRUSSの発現減少がmethamphetamineの精神依存形成にどのような影響を及ぼすかを明らかにするため、TRUSSの抗体を用いてCPP法による検討を行った。TRUSSの抗体をmethamphetamine 投与1時間前に脳室内投与し6日間の条件付けを行った結果、TRUSSの抗体を前処置したマウスにおいては溶媒を投与したマウスと比較してmethamphetamineの精神依存形成が有意に増強した。本研究の結果、TRUSSはmethamphetamineの精神依存形成を抑制的に制御していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Methamphetamineの依存モデルの作成に少々時間を要したため
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、まずはmethamphetamineの依存再燃時におけるTRUSSの役割について検討した後、TRUSSの基質となるタンパク質の探索を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 試薬等が現在所有しているもので多少まかなえたことから物品費に少し余裕ができたことおよび次年度の学会発表を増やしたいため、旅費に充当させたかった。 (使用計画) 次年度使用額は人件費、謝金、その他に関しては計画通り使用する。物品費、旅費に関しては前年度の残りを充当させる。
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