2022 Fiscal Year Research-status Report
スキンケアに問題なく、粘膜面への適応も可能な洗浄・消毒薬の開発に向けた基礎研究
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22K10634
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
池田 敬子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (60331807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 多美子 四国大学短期大学部, その他部局等, 講師 (40716049)
小山 一 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (80109074)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ウイルス不活化 / スキンケア / 消毒 / 組織障害のない / 感染対策 |
Outline of Annual Research Achievements |
手荒れの少ない消毒薬は手指衛生の遵守のために重要であり、また、新興再興感染症への対策には呼吸器粘膜に侵入した病原体の消毒が効果的である。私達は、粘膜面にも使用可能な「安全で不活化効果の高い消毒薬」を開発できる可能性を考え、組織障害性が少なく、かつ、効果的な消毒作用を持つ化合物とその溶媒条件を網羅的に探索してきた。 本年は、梅ポリフェノール(UP)のうがい薬としての応用を念頭に検討した。これまでの解析からUPのウイルス不活化活性はタンパク質により妨害を受け、その妨害作用の克服が実際の使用においては重要であった。UPと協働的に作用する化合物を探したところ、ヒダントインを見出した。A型インフルエンザウイルス[A/PR/8/34 (H1N1)](以下IAV)を用いて解析したところ、ヒダントインをUPと共存させるとUPのウイルス不活化作用は増強され、ウシ血清アルブミンタンパクによる不活化妨害作用も克服された。ヒダントインは単独でタンパク質存在下でも弱いウイルス不活化活性を示し、この活性によりUPのインビトロでの消毒作用へのタンパク質による妨害を克服している可能性を明らかにした。 さらに、医療現場での感染対策に向けた基礎データを収集についても、接触感染の対策を念頭に、実験的にウイルス汚染したマスク上に付着したウイルス感染力の時間変化をIAVを用いて定量的に解析した。試料(市販の不織布マスク、ポリエステルマスク、布マスクから切り出した布片)にIAVを汚染した場合、60分後のウイルス感染性の変化は、不織布およびポリエステルでは両社とも相対感染価は1.0と変化が見られず、一方、布マスクにおいては0.002(検出限界)以下へと感染性の喪失が見出された。マスクの素材により汚染ウイルスの感染力の保持時間が大きく異なることが明らかとなった。ウイルス種やマスク素材との関係について解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒダントインとこれまで見出した食品由来由来消毒活性成分との組み合わせの相互作用について定量的に解析した。環境下にあるウイルスがもつ感染能力も解析できた。
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Strategy for Future Research Activity |
スキンケアに有効であるものを探索する基礎研究を進め、環境下にあるマスク上のウイルス種の感染能力を定量的に解析する。
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Causes of Carryover |
理由:今年度は予定金額が少なかったが、主に消耗品と成果発表の旅費に使用した。来年度も繰越金を合算し、実験等に必要な消耗品および薬品、器具などを購入したいと考えている。 使用計画:細胞培養および実験に必要な消耗品、文房具等と旅費に使用する。備品購入の予定はない。
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Research Products
(4 results)