2022 Fiscal Year Research-status Report
臨床と在宅におけるプラシーボ使用の現状と看護師の心理的葛藤に関する継続研究
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22K10643
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
田中 美穂 東邦大学, 医学部, 非常勤講師 (80385567)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プラシーボ / 看護倫理 / 質問紙調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
10年前に実施した調査の継続研究として、本調査を計画し2022年度に採択され研究準備を開始した。前回調査以降の文献を検討したところ、海外の研究において期待誘発性鎮痛効果とプラセボ効果は内因性疼痛調節システムを評価するための有用なモデルとして見直されている点や、プライマリケアにおいて医師が実施しているという結果などが明らかにされていた。そのことから、継続調査ではあるが、その後の研究結果を鑑みて質問項目の見直しを行った。また、医療倫理に依拠したいくつかの論考がみられた。論考では、プラセボ効果を引き出すことを治療として意図的に実施することは、患者のインフォームドコンセント取得の権利や自律性の権利を侵害し、医療への信頼を損なう可能性があることが示唆されていた。しかし実際の調査結果に基づくものではなかった。 日本における看護師とプラシーボ与薬という視点では、システマティックレビューが散見されたが、本研究のように看護師を調査対象とした新たな研究は見られなかった。海外の文献で、プラシーボという期待値をあげることにより効果が得られる介入について、看護師は患者のケアにおける文脈的要因の重要性を認識しており、プラシーボにおける看護師の役割を考える必要性が示唆されていた。日本では倫理に抵触するという視点が注目されがちであるが、これらの点についての設問も追加する必要があると示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
勤務先の変更により、研究倫理の審査を再度受けた。2022年7月に倫理審査を申請し、2023年に承認され、現在調査の準備を進めている。 倫理審査の承認を受けて、2023年2月に調査対象の病院リストの作成を依頼した。リスト作成費の高騰により、3社に相見積もりを取り、個別に交渉するなどし、時間を要してしまった。現在、依頼業者が決定し、リストを作成してもらっている。 質問紙の印刷と郵送についても価格が高騰し、2社に見積もりを取り交渉した。現在は決定し、依頼中である。
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Strategy for Future Research Activity |
病院看護師を対象とした全国調査は、5月中に質問紙を印刷し、5月下旬から6月初旬には郵送する予定である。質問紙の返信期間は7月下旬から8月初旬までとし、その後は結果のデータベースを作成し、分析を行う。 在宅看護師を対象とした調査は、今年度倫理審査を行い、2024年度に実施する予定としている。
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Causes of Carryover |
倫理審査を再度受けなおしたことや依頼業者の選定に手間取ってしまったことにより、調査の開始が遅れており、次年度使用額が生じた。 22年度購入予定であった、質問紙送付の全国病院リストと訪問看護事業所のリストを購入する。また、5~6月にかけて質問紙を印刷し郵送する予定である。看護倫理研究の情報収集として、いくつかの学会にも参加する予定である。
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