2024 Fiscal Year Research-status Report
臨床と在宅におけるプラシーボ使用の現状と看護師の心理的葛藤に関する継続研究
| Project/Area Number |
22K10643
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| Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
田中 美穂 東邦大学, 医学部, 非常勤講師 (80385567)
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | プラシーボ / 看護倫理 / 質問紙調査 |
| Outline of Annual Research Achievements |
「日本の病院で働く、看護師および看護管理者が実施しているプラシーボ与薬の実際と心理的葛藤の調査」として、東京都内20床以上300床未満の病院施設と、300床以上の全国の病院施設の調査を行った。日本全国の病院施設一覧より介護施設やホスピス、精神科・ハビリテーション・産科小児科などの専門病院は除外し、都内調査は345施設690名、全国調査は1072施設2144名を対象に、自作の質問紙を用いて実施した。回収率は、都内の看護師調査5.2%(18名)、看護管理者8.4%(29名)、全国の看護師調査8.0%(86名)、看護管理者8.5%(91名)であった。 回答者のおよそ9割がプラシーボ与薬を知っており、看護系の学校もしくは就職後に臨床で知識を得ていた。全国調査に回答した看護師の6割弱が過去にプラシーボ与薬を経験していたが、都内の看護師は8割以上が与薬を経験していた。また、「この10年間でプラシーボ与薬を実施したか」という質問に対し、全国の看護師はおよそ7割が「実施していない」と答えたのに対し、都内の看護師は7割強が現在も実施していると答えた。この傾向は管理者でも同様であり、「10年間は実施していない」の回答結果が全国では86%であったのに対し、都内の管理職の回答では「実施していない」が57%、「この10年以内に実施した」が43%となっていた。10年間の期間も数年前から2週間前と大きな差はみられるが、いずれにしろ近年も臨床においてプラシーボ与薬が実施されていることを確認した。 「プラシーボ与薬は倫理に反すると思うか」という質問に対し、看護師全国67%・都内94%、管理者全国49%・都内75%が「倫理に反するとは思わない」と回答した。その理由として「薬の過剰投与を防ぐことができる」、「実際に苦痛や痛みが緩和されるのであれば患者にとって良い影響であると思う」などがあげられた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
病院施設の調査は終了したが、もう一つの課題である「日本の在宅看護におけるプラシーボ与薬の実態調査」の実施が遅れている。質問紙調査の回収率が低かったことを踏まえweb調査に変更し倫理審査の再審査を行ったこと、web審査につき資金が不足し手作業が増えたこと、研究者の私事で研究活動が停止したことが主な原因である。現在再開し、10月には全調査が終了する予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
全国の在宅看護ステーション一覧より1000施設を抽出し、施設長への研究協力および協力者選出の依頼書と、回答者への研究協力依頼書(研究の主旨や回答方法など)を印刷し、郵送する。web回答期間を1カ月とし、データを収集する。予算の都合上、研究者の手作業となるが、他の研究者に協力を依頼し早急に行う準備を整えている。データ収集後は速やかに分析し、関連学会で発表する予定である。
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| Causes of Carryover |
在宅看護ステーションの調査が遅れてしまい、前年度未使用となった。今後、印刷費用と依頼書の郵送費用として用いる。また、昨年度終了した調査の成果発表の旅費、論文をまとめるためのスーパーバイズを依頼したり、倫理学の研究者らとデータ分析の検討会を行う際の会議費としても用いる予定である。
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