2022 Fiscal Year Research-status Report
ナース・プラクティショナー(仮称)制度の構築に向けた養成教育カリキュラム検討
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22K10647
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
黒澤 昌洋 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (00586068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 恵子 金城学院大学, 看護学部, 教授 (00444274)
橋本 茜 愛知医科大学, 看護学部, 助教 (00642084)
泉 雅之 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (50203055)
安藤 秀明 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (00323147)
横山 淳美 島根県立大学, 看護栄養学部, 講師 (00881476)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ナース・プラクティショナー / 診療看護師(NP) / 教育カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
日本看護協会は,国際標準の「ナース・プラクティショナー(仮称)制度の構築の推進」を重点事業として掲げている。現在,わが国においてナース・プラクティショナーの役割を担う診療看護師(NP)等の養成が行われているが,日本の医療制度と文化を踏まえた具体的な実践内容に関するコンピテンシーは明らかにされていない。国際標準のナース・プラクティショナーを養成するには,より自律して一定レベルの診断や治療を行うことができる能力を育むための教育カリキュラムの構築が必要である。本研究の目的は,日本の医療制度と文化に即した国際標準のナース・プラクティショナー養成教育カリキュラムを検討することである。 2022年度は,診療看護師(NP)養成大学院のシラバスから,科目目標と教育内容を分析した。これにより,現行の7つのコンピテンシー,①包括的健康アセスメント能力,②医療処置管理の実践能力,③熟練した看護の実践能力,④看護管理能力,⑤チームワーク・協働能力,⑥医療保健福祉の活用・開発能力,⑦倫理的意思決定能力に関わる具体的教育内容が抽出された。課題として,大学院によって教育内容の差が大きく,標準化されたコア・カリキュラムの必要性が示唆された。また,看護師特定行為研修を包括しているため,診療看護師(NP)に求められる能力を育成するための教育内容が必ずしも明確になっていないことが考えられた。 一方,諸外国のナース・プラクティショナーの教育システムの情報収集のために,National University of Singapore(NUS)への視察を行った。シンガポールでは,高度実践看護師として養成を行っており,養成教育から修了後の継続教育まで,一貫した教育システムが構築されており,わが国のナース・プラクティショナー(仮称)制度に向けた教育システムの参考となるものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シラバスから明確にすることができない教育内容については,大学院教員へのアンケート及び訪問調査を行う予定であったが,シラバス分析に時間を要したため,訪問調査を行うことを計画することができなかった。今後,分析結果を踏まえて,実施を検討していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,現状の診療看護師(NP)養成カリキュラムのシラバス分析の結果を論文作成し,公表する予定である。また,診療看護師(NP)の実践を調査し,日本の医療制度と文化の中で求められている役割と具体的なコンピテンシーを明確にしていく。さらに,シンガポール大学訪問時に,諸外国のナース・プラクティショナー養成大学院教員との国際シンポジウムの開催を,2024年度に日本で実施することで打合せを行った。
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Causes of Carryover |
2022年度はシラバス分析のみを行い,当初,予定していた大学院への訪問は研究の進捗により実施することができなかった。また,国際シンポジウムの開催を検討していたが,新型コロナウイルスの感染状況を考慮し,2024年度に変更することとした。
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