2022 Fiscal Year Research-status Report
看護研究倫理コンサルテーションを活用した研究倫理教材の作成及び教育の実施と評価
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22K10650
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
有江 文栄 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 臨床研究・教育研修部門, 室長 (40465521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 香代子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (00344599)
箕輪 千佳 上武大学, 看護学部, 教授 (10520835)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 看護研究倫理 / 研究倫理コンサルテーション / 研究倫理教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、看護学研究者の悩みや疑問に対応する看護学研究倫理コンサルテーションを実施し、看護学研究における倫理的問題と具体的解決方法を明らかにするとともに、コンサルテーションを通じて収集した問題と看護研究の特性を反映した研究倫理の教材を作成し、その教材を用いた教育を実践し教材の評価を行うことである。 本年度の計画は、関連学会で交流集会を開催し、研究倫理コンサルテーションを実施するとともに、オンライン看護研究倫理コンサルテーション窓口の設置及び運用の開始準備を整えることを目標とした。 そこで、12月2日に第42回看護科学学会学術集会で、「看護学研究者の為の研究倫理コンサルテーション」というテーマで実施した。交流集会では、先ず研究者が研究倫理に関する基本理念や「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に関する情報提供を行いつつ、看護学研究の場面に沿って考慮すべきポイントについて話をし、その後、参加者の悩みや疑問を共有し、参加者全員で対応策を検討した。参加者からは「大学院生の研究の審査について」、「IC簡略化の手続きについて」「症例報告と研究の違い」等、指針との関連質問が多くあった。交流集会後のアンケート調査の結果、28名から回答を得ており、20名が交流集会に満足又は大満足と回答した。自由記載では、施設やケースによって倫理審査の基準や判断が異なることが明らかになったことや、倫理審査の要不要の判断の難しさなどがあげられていた。また、参加者の多くが関連指針について理解すること、研究倫理の最新動向を知ること、インフォームド・コンセントの手続きについて理解することを交流集会に期待していたと回答した。 また、オンライン看護学研究倫理コンサルテーションの窓口設置に向け、現在HPの作成と業者、研究機関との調整を図り準備を整えているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね研究計画に沿って順調に進んでいる。 本年度は1年目であり、オンライン看護学研究倫理コンサルテーションの窓口設置と運用開始を行うことを計画していた。その為に、先ずはHPのコンテンツとコンサルテーション規約の検討を行い、実施体制を整備することとし、窓口設置に向けた準備を整えることができた。現在はHP作成及び管理業者との調整を行っているところである。HP開設に伴い、研究機関内の情報管理部門との連携も必要となることから、HP運用の開始はまだできていないが、これらの調整が完了次第、直ぐに運用できる状況である。 関連学会学術集会の交流集会を活用した対面での看護学研究倫理コンサルテーションについては、昨年一回実施しており、参加者からの質問や事後のアンケート調査の結果から、看護学研究者が相談したい内容や課題について情報収集することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
先ず、5月~6月を目途にオンライン看護学研究コンサルテーションの運用を開始する。相談件数がある程度蓄積した時点で、コンサルテーションの内容を集約し、課題を抽出する。次にこれで迄の研究で明らかにした研究倫理の課題とコンサルテーションの実践内容の分析結果から、看護研究倫理教育の教材に必要なコンテンツについて検討する。 対面でのコンサルテーションは、初年度に引き続き看護系学会の交流集会等を活用し実施する。6月に開催予定の日本看護倫理学会第16回年次大会において「看護研究倫理コンサルテーションの実践」というテーマで交流集会を実施する予定である。この交流集会では、今年の指針の改正と昨年の交流集会のアンケート結果を踏まえ、特にインフォームド・コンセントに焦点をあてる。
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Causes of Carryover |
HP制作費として40万円使用する予定であったが、現在HP作成会社と契約内容について協議をしている段階であり、契約の締結、費用の支払いが本年度までに行われなかったため。また、打ち合わせ旅費についてはコロナ感染状況が終息しなかったこともあり、WEB会議をおこなったため費用が発生しなかったため次年度使用額が生じた。 翌年度分の使用計画は、先ずHP作成を6月(遅くなっても7月)行うため、HP作成に係る費用及びHP維持、保守費用を使用する。打ち合わせ旅費はWEBで行えるものはWEBで実施し、対面での打ち合わせは、本研究計画で実施予定の学会での交流集会、研究成果公表等の機会を有効に活用して実施する等の工夫を行う。また、海外調査を計画しているが、予想外の海外における物価の上昇と円高の状況を考慮し旅費や海外調査にかかる諸費用を計画的に使用する。
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