2022 Fiscal Year Research-status Report
高齢女性の認知機能を高めるための運動方法の確立-座位行動時間の短縮を目指して-
Project/Area Number |
22K10654
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
永谷 幸子 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (90452200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 久恵 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 教授 (80444404)
尾方 寿好 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (80415364)
清水 三紀子 藤田医科大学, 保健衛生学部, 講師 (90402627)
管原 清子 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (80624923)
加藤 京里 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (70385467)
神谷 美香 朝日大学, 保健医療学部, 准教授 (70724300)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 座位行動時間 / 認知機能 / 軽運動 / 近赤外線分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
長い座位行動時間が認知機能の低下に関連することが報告されている。特に女性は男性よりも認知症有病率が高いことが明らかになっており、健康寿命を延伸するためには女性への積極的な介入が求められる。本研究は、高齢女性の認知機能を維持・増進するために、座位行動時間の短縮を目指した軽運動の導入を提案するものである。 令和4年度は、20人の女性(平均年齢73歳)を対象としてフレイルや身体活動量等について啓蒙活動を行った。参加者の歩行速度、下腿周囲長等を測定したところ、歩行速度は平均1.3 m/s、下腿周囲長は平均34.7 cmであった。参加者の歩行速度は比較的良好に保たれていたが、年齢と下腿周囲長の相関係数は-0.43であり、年齢の上昇に伴い下腿周囲長が減少する傾向があることが示唆された。下腿の筋は筋ポンプとして作用することで静脈還流をうながし、結果として脳血流量に影響する可能性が検討されている。加齢に伴う下腿周囲長の減少と身体活動量の低下は互いに負の連鎖を形成し、加えて、脳血流量ひいては認知機能へ影響をおよぼす可能性もあると考えた。 新型コロナウイルス感染症の拡大により高齢者の身体活動量が全般に低下したことが報告されている。行動制限によって世界的に生じた身体活動量の低下は、今後、複数年に渡り、認知機能を含めて高齢者の健康に影響をおよぼすことが大いに予測される。次年度は高齢者でも安全に実施可能な活動の効果を、認知機能の面から検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた軽運動の効果検証のための実験研究に着手できなかった。研究分担者と今後研究を進めるための、測定機器の選定などは進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
感染対策に十分に配慮したうえで研究を展開する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、予定していた実験の実施が困難であった。感染対策を講じたうえでデータ収集を実施する。
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