2023 Fiscal Year Research-status Report
就寝前口腔ケアによる口腔内細菌と唾液分泌への影響に関する基礎研究
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22K10658
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
坂本 由希子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (20342272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 敬子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (60331807)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 口腔ケア / 高齢者 / 口腔内細菌 / 唾液分泌 / 不顕性誤嚥 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は虚弱高齢者の夜間の不顕性誤嚥のための効果的な口腔ケア法開発を目指し、就寝前の洗口液による口腔ケアが口腔内細菌数や唾液分泌にどのような影響を及ぼすかについての基礎資料を得ることを目的としている。 2023年度は、これまでの予備調査の結果を踏まえ、測定条件の調整のため調査を行った。口腔内の乾燥による測定値への影響がみられたことから、生体、測定機器双方の測定条件を整える方法について、文献検討および条件を複数設定しテストを実施した。虚弱高齢者の夜間の不顕性誤嚥のための効果的な口腔ケアを検討するための基礎資料を得るために、まず今回の研究では健常高齢者を対象に調査を実施しているが、口腔水分計による口腔粘膜の湿潤度測定では、参加者の57%が「乾燥」または「境界域」を示した。しかし湿潤度と口喝の自覚症状との関連はなかった。嚥下機能評価では嚥下機能低下の可能性ありと判断されたのは20%であったが、咀嚼機能テストではほとんど差はみられなかった。口腔粘膜の湿潤度と年齢、嚥下機能、筋力、口腔内細菌数においても特徴的な関連は確認できなかった。また、洗口液の種類や使用期間の影響についても検討しているところである。さらに対象者を増やし検証を行う予定にしているが、参加協力者の確保が当初の計画どおり進まず実施の遅れとなっている。リクルート方法を変更して対象者を増やしながら、眠前の洗口液による口腔ケアと口腔内細菌数や唾液分泌への影響の検証を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染状況に応じ、感染対策を行ったうえで進める予定にしていたが、参加いただく高齢者が5類移行後も外出を控える傾向が強く、リクルートが捗らなかった。参加途中での脱落などもあり予定通りに進まず、大幅な遅れとなっている。 また機器での測定を安定化させる方法・条件の設定に時間を要したことも遅れの原因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き感染症に対する予防対策は十分とったうえで、高齢対象者が安心して参加できるよう整え調査を行っていく予定である。測定条件など研究方法を見直し・修正してデータ収集を実施していく予定である。また文献検討の結果をまとめたものを学会発表するとともに、本調査の結果をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は調査が進まず予定してた消耗品の使用が少なかったが、次年度は調査に伴に消耗品の購入および研究成果をまとめ、学会発表を行うための旅費として使用する予定である。
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