2023 Fiscal Year Research-status Report
看護学生と看護師の術後看護における臨床推論の違いの解明と教育教材の開発
Project/Area Number |
22K10681
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
森本 浩史 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 助教 (40845567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中神 克之 名古屋女子大学, 健康科学部, 教授 (20551237)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 臨床推論 / 看護学生 / 周術期看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、術後患者の状態把握における看護学生と看護師の臨床推論の違いを明確化することと、臨床で求められる思考過程を図解化した教育教材の開発を行う。そのため、次の3つを研究目的としている。目的1は「周術期看護学実習を受けた看護学生の実習記録の内容分析を行い、術後患者の状態把握に関する看護学生の臨床推論の特徴を解明すること」である。目的2は「術後患者の看護に精通した看護師へのインタビュー調査から、看護学生の臨床推論との違いを解明し、教育的示唆を得ること」である。目的3は「術後患者の状態把握に求められる臨床推論を図解化した教材を開発し、その効果を検証すること」である。 当該年度は、研究目的1の「周術期看護学実習を受けた看護学生の実習記録の内容分析を行い、術後患者の状態把握に関する看護学生の臨床推論の特徴を解明すること」において、研究対象となった看護学生の実習記録の内容分析を行なった。分析においては、推論の思考過程を構成するとされる3つの視点①事例:看護学生が捉えた事実や現象、②原因(規則、説明仮説)=事例を意味付けるための学生の普遍的とされる知識や既存の事柄、③結果:看護学生が導き出した結論、に基づき、看護学生の思考過程や仮説の有無を捉えた。分析を通し、看護学生の臨床推論の傾向として、①観察・直面した現象を説明するために、学生なりの仮説をたて、意味づけをし、その検証をしていること、②仮説は短絡的であり、学生自身が「知っている」ものと直結させていること、③少ない情報で結論づけていること、が見出された。 次年度は看護学生を指導している周術期看護学実習の臨床看護師にインタビューし、臨床の看護師と看護学生の臨床推論の違いを明確化していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、第一研究である看護学生20名分の実習記録の内容分析を完了し、その結果をもとに第二研究である看護師へインタビューを行う予定であった。しかし、実習記録の内容分析に時間を用し、第二研究の開始まで至っていない。看護学生の実習記録は、記述内容に学生の個人差があり、思考過程が明確に記載されているものと、簡潔に記載されいるが故にどのような思考過程であったかを推論することが困難なものとがあった。そのため、研究者間で意味内容、分析方法について協議して進めたことが、時間を要した理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
第一研究を完了させ、その結果をもとに第二研究に着手する。倫理委員会に第二研究の承認を得て、周術期看護学実習が行われる時期に合わせ、看護学生を指導ている看護師の記憶が鮮明な中で、インタビューを実施しする予定である。
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Causes of Carryover |
今年度、データの保存・分析等を行っていたパソコンが故障し、継続使用が困難となったため1台購入した。そのほか、本研究の課題の中心となる看護学生の臨床推論や教育に関わる最新の研究動向を把握するため、第43回日本看護科学学会学術集会に参加したため、その経費として支出した。 当該年度は、看護師へのインタビューおよびその録音データの文字起こしを業者に発注する予定であったが、実施に至らなかったため、差額が生じた。2024年度はインタビューを実施する予定であり、当初の計画通りの使用を予定している。
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