2022 Fiscal Year Research-status Report
血管内皮機能測定による足浴やハンドマッサージのストレス軽減・血栓症予防効果の評価
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22K10707
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
林 辰弥 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (00242959)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 足浴 / 湯温 / 血管拡張 / 血管内皮機能 / 自律神経バランス |
Outline of Annual Research Achievements |
日本における脳卒中や心筋梗塞などの血栓性疾患による死亡率は、いまや、がんによる死亡率に匹敵し、中でも、静脈血栓塞栓症、特に深部静脈血栓症とそれに起因する肺血栓塞栓症については、生活習慣の欧米化、高齢化社会の到来、医療技術の発達に伴う高度の外科手術後の入院期間の延長などの理由により、近年、急速に増加している。現在、深部静脈血栓症の予防法としては、外科手術後では早期離床による歩行運動、弾性ストッキングの着用、間欠的空気圧迫法、及び抗凝固薬投与などが推奨されているが、足浴をはじめとする各種看護技術の深部静脈血栓症に対する予防効果は明らかではない。このような背景の下、我々は、血栓症の発症に関わるウィルヒョウの3徴として知られている血流のうっ滞、血管内皮細胞障害及び血液凝固・線溶因子の増減による過凝固状態、それぞれに及ぼす足浴の湯温の影響を継続的に検討してきた。その結果、40℃や43℃の湯温を用いた20分間の足浴に、血流速度の増加に基づく血栓症予防効果を示唆するとともに、40℃の湯温を用いた20分間の足浴に、プラスミノゲンアクチベータインヒビタ―-1の血中濃度の低下による線溶促進に基づく血栓症予防効果を示唆してきたが、血管内皮機能に及ぼす影響は明らかではない。本研究では、(最大血管拡張径一安静時血管径)/安静時血管径x100で示される血管内皮細胞が有する血管拡張能を指標として、37℃から43℃の湯温を用いた20分間の足浴の血管内皮機能に及ぼす影響を検討した。その結果、いずれの湯温の足浴でも足浴後に血管内皮機能の改善は認められなかった。同時に測定した足浴のストレス軽減効果については、40℃及び43℃の湯温を用いた足浴による交感神経優位に伴うストレス負荷効果が明らかになったことから、足浴により血管内皮機能の改善が認められなかったのは、このストレス負荷効果が影響しているのかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は予定通り足浴に用いる湯温の血管内皮機能の改善を指標とした血栓症予防効果、さらにはその血栓症予防効果とストレス軽減効果との関連性を検討できた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、予定通り、アロマオイルを用いたハンドマッサージの血管内皮機能を指標とした血栓症予防効果、さらにはその血栓症予防効果とストレス軽減効果との関連性を検討する。
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