2023 Fiscal Year Research-status Report
高齢者が一人でも正確な嚥下訓練を楽しく継続できる会話ロボットの開発
Project/Area Number |
22K10709
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
三重野 愛子 長崎県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (60516293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 多恵 長崎県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (00597776)
辺見 一男 長崎県立大学, 情報システム学部, 教授 (30238711)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高齢者 / 咀嚼嚥下機能 / 嚥下訓練 / コミュニケーションロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の肺炎による死亡の原因に老化に伴う咀嚼嚥下機能の低下がある。この咀嚼嚥下機能低下を予防するためには継続的な嚥下訓練が重要となる。この嚥下訓練は少なくとも2か月以上継続することが必要であるが、身体的精神的に変化の著しい高齢者にとって運動の継続には課題が山積する。特に健康な高齢者は老化に伴う嚥下機能低下の自覚が少なく、訓練の必要性を実感できないことから、多くの高齢者が嚥下機能低下を予防する行動をとれていない状況にある。そこで、高齢者の継続的な嚥下訓練を目指して、近年、開発の目覚ましいコミュニケーションロボットを用いて、高齢者が音声で簡単に操作でき、一緒に楽しく会話をしながら嚥下訓練ができるシステムを開発することを目的に研究に取り組んでいる。 2022年度は、一般的な嚥下訓練方法のひとつである発声訓練について、利用者がより正確な方法で実施できるように従来のイラスト映像を実写映像へ変更した。 2023年度は、高齢者への介入研究のプレテストとして、若年者を対象に嚥下訓練プログラムを実装したロボットを2か月間使用してもらい、ロボットを用いた嚥下訓練の継続性を阻害する要因を分析した。また、同時に、調査対象としている地区在住の高齢者を対象に、嚥下機能と嚥下訓練への関心についての実態調査を実施し、嚥下機能および嚥下訓練の理解の程度、嚥下に関する自覚症状の程度等について分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
嚥下訓練プログラムはすでにコミュニケーションロボットへ実装済である。若年者を対象に実施したプレテストの結果に基づきシステムの修正を行い、次年度は地域在住高齢者にロボットを使用してもらう介入研究を実施する予定である。また、すでに調査対象地区の老人クラブへ調査協力の許諾をとっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定は以下のとおりである。 (1)若年者を対象としたプレテストの結果分析 (2)(1)に基づきシステムの修正 (3)地域在住高齢者を対象とした介入研究 (4)(1)の結果を国内外学会へ発表、論文執筆
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Causes of Carryover |
当初の計画では、今年度高齢者を対象に介入調査を実施予定としていたが、調査計画を次年度実施へ変更したため、今年度11万9千円の残額となった。 次年度は、高齢者を対象にロボットを自宅に1か月間設置し、嚥下訓練を実施してもらい、ロボットを用いた嚥下訓練の実現可能性を分析する計画となっている。
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