2022 Fiscal Year Research-status Report
「地域包括ケア」時代の家族介護者が直面する倫理的葛藤とその支援に関する研究
Project/Area Number |
22K10719
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
松浦 利江子 金城学院大学, 看護学部, 教授 (50535995)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 地域包括ケア / 家族介護者 / 倫理的葛藤 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢社会にあって「地域包括ケアシステム」の構築が進められており、高齢になった家族を支援する家族や親族等が担う役割はますます重要になっている。他者をケアする経験は「人生の糧」となる一方、時間や体力の消耗、心理面や経済面の負担、折々の家族・親族間での調整などで様々な葛藤に陥り、苦悩する側面もあると考えられる。 本研究の目的は、地域包括ケアシステムを活用して高齢者等の家族が地域で生活するための支援に携わっている家族介護者、および、地域包括ケアセンター等で業務に従事する看護職者等を対象にした調査を介して、家族介護者がケアに携わる中で直面する倫理的葛藤の実態、支援へのニーズを明らかにして、家族介護者の倫理的葛藤に対する支援策を構築することである。今年度はまず、地域包括ケアシステムを活用している家族介護者を対象に半構造的面接を実施する計画であった。関連施設は、COVID-19感染防止策として年度頭初は家族等との面会制限を実施していた。そのために、家族介護者を対象にした調査の協力については保留とされてきた。その後、リモート面会、そして時間制限付の面会へと変化した。このような変化も加味して、家族介護者の葛藤について検討していく必要があると考える。 先行研究では、高齢者の虐待や、看取りのケア、地域包括ケア病棟における看護職や他職種の役割の検討などが取り組まれはじめている。家族介護者の経験や声に根差した調査結果も軸に据えつつ、家族介護者を支援する専門職の役割を検討し続けていくことは重要と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、地域包括ケアシステムを活用している家族介護者を対象に半構造的面接による調査を実施することであり、所属研究機関の研究倫理審査の承諾を得て準備を進めていた。しかし、COVID-19感染防止策として関連施設が家族介護者の面会に制限をかけていたこともあり、調査の協力については保留となっていた。2023年5月に感染法上の分類が変更となり、調査協力の承諾に向けて検討してもらえることになった。予定としては、令和5年度に前年度に予定していた調査に取り組むことから、進捗状況としては「遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
【調査1】として計画していた、家族介護者を対象とした聞き取り調査について、COVID-19感染防止等の関連で、実現が見送られてきた。そこで、令和5年度に令和4年度に計画していた調査を実施する予定である。調査結果の分析に当たっては、家族介護者の倫理的葛藤と支援のニーズを明らかにし、合わせて、今後予定している看護職者への聞き取り調査の方向性についても検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
調査に向けた諸準備、データの管理、分析のためにノート型PCが必要であった。
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