2022 Fiscal Year Research-status Report
視線分析を活用した看護教員の状況認識・判断力向上のための教育方法の開発と評価
Project/Area Number |
22K10724
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
荻野 待子 兵庫医科大学, 看護学部, 講師 (20420747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久米 弥寿子 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (30273634)
山田 千春 兵庫医科大学, 看護学部, 准教授 (00510869)
松久 智美 兵庫医科大学, 看護学部, 助手 (30753149)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 看護教員 / 視線 / 状況認識 / 教師教育 / 膀胱留置カテーテル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、看護教員の状況認識から教授行動を生み出す認知思考のプロセスを解明すること、また、状況認識・判断力向上のための教育方法の開発を評価を行うことである。 2022年度は、研究の第一段階として①看護技術実施と実習場面のVTR作成、②使用する視線計測用装置の安定的な使用のため、業者によるトレーニングを実施、③視線計測とインタビューにより、看護教員の状況認識を明らかにするプレテストの実施、④教員の状況認識に関するデータ収集を予定した。 まず、①について、看護技術実施場面に焦点化し、学生が技術を実施する場面の教示用動画の作成に着手した。数種の動画を研究者間で確認し、膀胱留置カテーテル技術を取り上げることに決定し、学生の技術実施状況を捉えるうえで興味深いと判断できた動画を選択し編集した。②について、視線計測のキャリブレーションに課題があったため、業者の指導及び研究者間でキャリブレーションのトレーニングを重ね、安定したデータ収集ができるよう準備した。③について、2名のプレ実験を行い、データ収集方法の確立と熟達と若手教員の区分年数の検討を行った。動画視聴の思考発話法だけでは、語りが十分に得られなかったため、視線測定結果入り動画の視聴時の思考発話も取り入れ試みた。④現在5名(熟達教員3名、若手教員2名)の研究対象者からデータ収集が完了した。認知を明らかにするための視線計測結果では、注視回数に熟達教員と若手教員に特徴を認めた。また、膀胱留置カテーテル技術の原理原則に関しては、各教員より言及があったが、その点を見た理由や見たことの意味付けは、各教員の単元教授経験や資格によって特徴を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画をした通りに進展している。プレテストの結果を受けて実験方法を変更したことにより、一人当たりに要するデータ収集時間が長くなっている。研究者2名でデータ収集にあたるため、引き続き計画的にデータ収集を行い、20名のデータを収集する予定である。2022年度に収集したデータ数が少ないため、計画していた眼球運動統計プログラムの購入は行っていない。今後データ収集を重ねて、必要な統計プログラムを購入する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度も引き続き、状況認識に関するデータ収集を行う。収集が完了した時点で、学会発表および論文作成にも取り組む予定である。2024年度は、状況認識・判断力向上のための教育方法の開発に入るため、2023年度中に、状況認識・判断のポイントを確実に抽出し、準備を整えておく必要がある。そのため、引き続き研究分担者との研究会議を定期的に開催し、ディスカッションを重ねる。
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Causes of Carryover |
2022年度に収集したデータ数が5例と少ないため、交通費・謝金にかかる費用を次年度に持ち越している。また、計画していた眼球運動統計プログラムの購入は行っていない。今後データ収集を重ねて、必要な統計プログラムを購入する予定である。現在研究対象者を募集しており、着実なデータ収集を進めている。今後は、インタビューデータの逐語録作成にかかる費用、交通費、謝金も支出予定である。
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