2022 Fiscal Year Research-status Report
The effects of night shift work on nurses and the development of health education program that promotes circadian adaptation
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22K10727
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高木 夏恵 千葉大学, 大学院看護学研究院, 講師 (40895968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和住 淑子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (80282458)
斉藤 しのぶ 千葉大学, 大学院看護学研究院, 准教授 (90292680)
河部 房子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (00251843)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 看護師 / サーガディアンリズム / 概日適応 / 健康自主管理 / 良導絡 / 自律神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、シフト勤務を始める新卒看護師を対象に、体内時計に反する生活サイクルがもたらす感知しない影響を周期的な自律神経バランス測定によって明らかにする。さらに、測定した生理的指標データを手がかりに、無自覚の変調を意識化させ、日常生活サイクルと関連付けて概日適応を促進する集合教育:健康教育プログラムを開発することを目的とする。本年度の研究計画は、①周期的な自律神経バランス測定により体内時計に反する生活パターンがもたらす感知しない身体的影響の可視化、②概日適応を促進する生活調整パターンの分類と、試案作成である。計画①は、新人看護職員1人を対象者としたプレ実施により、9カ月間で8回の測定、付帯情報データ数194,睡眠スコアデータ数152のデータを収集。その結果、新人看護職員は4月から8月にかけ段階的な活動量の増加に反して、睡眠の質低下、特に休日睡眠の顕著な質低下がみられた。体組成計測定の推移では活動量の増加に比例し、8月にかけて体重に占める脚の筋肉量の割合が増大する体組成の変化があった。食事面の調査では、栄養バランスを考える思考力の疲労による低下、調理の煩わしさ、味覚・欲求の変調等により、自炊や野菜の摂取が減り、パンや総菜など購入してすぐに食べられる食事への変化と、意図的に食事を改める時期が行きつ戻りつしていた。自律神経バランス測定では、5月以降総体的な元気度の低下および精神的ストレスがある波形を呈し、この波形は睡眠の質低下が顕著な月と合致していた。自律神経バランス改善を試みる低周波治療の前後測定比較では、治療後の方があきらかなストレス波形を示した。これは、低周波の通電により体組織の緊張が緩んだ結果、認識側のストレスが顕在化した、すなわちストレスが表在化したと考えられる。この結果を基に、概日適応を促進する生活調整の試案作成に着手。パターン分類には至れていないため、次年度実行予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では対象者30人程度を計画していたが、新型コロナウィルス感染の影響により職員の集合を可能な限り回避する感染拡大防止策が取られたことを受け、研究リクルート方法の修正を余儀なくされた。今年度は、新人看護師の自主参加形態として対象者1人のプレ実施となった。しかし、対象者人数縮小への計画修正の反面で、当初予測を超える詳細なデータを収集するに至れた。当初計画では4回であった測定をほぼ毎月の8回測定とし、研究者が毎月、直接データ収集したことで、新人看護職員の体内時計に反する生活サイクルに大きく影響を及ぼす就業環境や自立業務の拡大状況、成長の自己評価について、月別に過程的変化の事実となる一例を明らかにできた。具体的には、新人看護職員が学生期と比べ、24時間の生活に占める仕事時間の増加という直接的な変化のみならず、日常生活に占める仕事の影響増加を背景とした間接的な変化として、身体のあり様(消耗と回復のバランス)や心のあり様といった【目に見えない変化】をもたらしていた。さらに、睡眠や食事などの生活様相に、【目に見えない変化】が投影され、生活様相の変化として反映され、顕在化していた。同様に、目に見える安定した看護実践という側面にも【目に見えない変化】が投影されていた。今年度の一例結果から得た事実から個別性を捨象し、仮説とした。今後の仮説検証では、生活様相の変化のパターンや、投影される【目に見えない変化】は個別性が高く、一定数のデータ収集が不可欠となる。本研究のリクルートでは、新人看護職員への研究による負担回避を担保する必要があり、症例数の獲得に工夫を要するが、研究計画自体は②おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度の研究計画は、①シフト勤務への適応(概日適応)を促進する日常生活調整のパターンの解明、と②作成した試案に基づく日常生活上の工夫について、概日適応を促進する健康教育の展開を行う。 今年度調査を土台に「概日適応を促進する生活調整の試案」を作成し、展開する。また、自律神経バランスの改善を試みる取組みとして、低周波治療前後の測定比較回数を増やすと共に、リラクゼーション効果のある、例えばハンドマッサージなど、で前後測定比較を探求調査する。上記仮説の検証を踏まえて一般化し、健康教育プログラムの開発に向けた症例数確保の推進として、研究開始時期、調査における個別対応の強化を創意工夫し、研究遂行と並行して研究参加によるメリットを明らかにし対象者に還元しながら研究実施に取り組む。
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Causes of Carryover |
活動状況(歩数)と睡眠の質測定用のデバイスとして、健康管理トラッカー(Fitbit:16.800円相当)の個別準備が必要であり、経費に計上していたが、今年度がプレ実施であったため次年度購入として計上する。また、データ分析用パソコンの購入、測定時のプリンターを次年度購入に移行したため、今年度残額となった。今年度調査の結果、無自覚の変調を意識化するためには、良導絡測定を自分事にするための基本知識(自律神経と概日リズム、生活との関連について、等)の必要性が示唆されたため、オンデマンドコンテンツの作成と講師謝金を次年度の使用計画に追加する。最新の知見を得るための学会参加旅費を計上していたが、教育活動のためオンライン参加となったため次年度に繰り越しとした。
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Remarks |
〔報告書〕
和住淑子,眞嶋朋子,野地有子,池崎澄江,黒田久美子,錢 淑君,斉藤しのぶ,飯野理恵,髙木夏恵,仲井あや:激動の時代における看護系大学教員の次世代育成.看護学教育研究共同利用拠点 千葉大学大学院看護学研究院附属看護実践・教育・研究共創センター 令和4年度看護学教育シンポジウム報告書,2022.
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Research Products
(2 results)