2023 Fiscal Year Research-status Report
The effects of night shift work on nurses and the development of health education program that promotes circadian adaptation
Project/Area Number |
22K10727
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高木 夏恵 千葉大学, 大学院看護学研究院, 講師 (40895968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和住 淑子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (80282458)
斉藤 しのぶ 千葉大学, 大学院看護学研究院, 准教授 (90292680)
河部 房子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (00251843)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 夜間交代制勤務 / 看護師 / サーガディアンリズム / セルフモニタリング / 健康教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、シフト勤務を始める新人看護師を対象に、体内時計に反する生活サイクルがもたらす感知しない影響を周期的な自律神経バランス測定によって可視化し、無自覚の変調を意識化させ日常生活の調整によって概日適応を促進する健康教育プログラムを開発することを目的とする。これまでの調査から、新人看護師は夜勤導入以前の看護学生期から既に概日リズムの乱れや様々な不調を抱えていることが明らかとなった。そこで今年度より、当初計画していた夜間交代制勤務開始前後でのデータ比較ではなく、抜本的な健康教育プログラム開発のために看護学生期の実態調査を追加する計画修正を行った。 看護学生期の健康状態に関する実態解明のため、看護学部1年次生75人を対象とした調査を追加し、倫理審査委員会での承認後、現在はデータ収集まで終えている。今後、個別データ分析に着手し、収集した以下のデータ〔抱えている健康問題、大学入学前・入学後の体調変化、自身の健康な状態、そのために必要な条件、日常生活記録〕について、自覚する心身の不調の有無で二分し、それぞれの「健康観」「日常生活記録」の観点から比較分析を進めていく。看護学部生の抱える不調の中で最も多かったのは、睡眠不足・日中の眠気で、日常生活では睡眠と食事に課題意識を持つ学生が多かった。学校の課題やアルバイト、サークル活動等で曜日によって帰宅時間が遅くなる学生が多く、不規則な生活サイクルがもたらす不調と自覚していたが、不調は仕方ないものとして甘んじる認識があり行動変容には至れていない状況が見て取れた。詳細な分析の上、構成要素、構造化を進め、概日適応促進のための健康教育プログラムにおける【必要な基礎知識】の根拠データとしていく。 これまでに収集した新人看護師を対象とした個別データについては、動機づけ、行動変容、定着に至るプロセスの検討に向けた基礎データとしてさらなる解析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では、サーガディアンリズムに反する生活を余儀なくされる夜間交代制勤務の開始に伴って生じる体調変化を、日常生活データと共に収集し、看護師がこれまで経験的に行ってきた概日適応を効果的に促進する健康行動を明らかとし、健康教育プログラムとして構築する予定であった。しかしこれまでの調査から、夜間変則勤務に従事する前の新人看護職員は健康状態にあるという前提が否定され、看護学生期から心身の不調を感じており、特に月経困難や片頭痛など内服治療を行っている学生も少なくないことが明らかとなった。看護学生期の不調を解決できず健康不安を抱えたまま看護師としての夜間交代制勤務を開始する者が一定数いることがわかった。看護学生を対象とした実態調査を加える計画修正を行ったため、当初計画より「やや遅れている」という進捗状況と判断した。 さらに、新人看護師の入職時の健康状態、健康不安の有無についての実態も解明されておらず、調査の必要があると考える。看護学生期の不調の実態を明らかとした上で、これを基礎データとした健康教育プログラムのモデル作成を始め、プログラムモデル展開時に、〈プログラム開始前健康調査〉を行うことで、新人看護師の健康状態に関する実態調査を追加する方向で計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
・看護学生が抱える不調の実態を明らかとし、断続的な不調を有する者と健康不安のない者との間で、日常生活や生活上の工夫、健康認識について比較分析を行う。 ・個別、全体分析を行い、健康教育プログラムに必要な構成要素、および構造化を進め、プログラムモデル作成における根拠データとしていく。 ・健康教育プログラムモデルを作成し、オンデマンドコンテンツ動画を作成する。 ・作成した健康教育プログラムモデルの展開に向け、急性期病院における院内教育として試行する方向で計画、準備を進める。 これまでに収集した新人看護師を対象とした個別データについては、動機づけ、行動変容、定着に至るプロセスの検討に向けた基礎データとしてさらなる解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
看護学生期からの実態調査を追加する研究計画修正が生じたため、予定していたオンデマンド講義用動画コンテンツの作成を次年度に持ち越すこととした。そのため、作成に必要な講師謝金、編集費用を次年度の使用額とする。作成予定のコンテンツに「ホルモンバランスへの影響」を追加する必要があることが分かったため、動画本数が増えることで生じる経費増額にも対応していく方向。 現在、急性期病院の院内研修として、健康教育プログラムのモデル展開を実施する計画段階にあり、次年度の助成金は、このモデル展開費用とする計画である。
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Remarks |
〔報告書〕
和住淑子,眞嶋朋子,中山登志子,黒田久美子,錢 淑君,斉藤しのぶ,飯野理恵,髙木夏恵,仲井あや,島田陽子:看護におけるイノベーションが可能な人材育成にむけた教育の方向性を探る.看護学教育研究共同利用拠点 千葉大学大学院看護学研究院附属看護実践・教育・研究共創センター 令和5年度看護学教育シンポジウム+webセミナー報告書,2024.
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Research Products
(2 results)