2022 Fiscal Year Research-status Report
県産タデアイ抽出成分配合の清拭剤によるタオルの細菌増殖抑制と皮膚清潔への効果
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22K10736
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Research Institution | Hirosaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
渡部 菜穂子 弘前医療福祉大学, 保健学部, 講師 (30550842)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 県産タデアイ / 清拭剤 / 清拭タオル / 細菌増殖抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、セレウス菌の血流感染を予防するために、病院で使用している清拭用綿タオルの細菌増殖を抑制するための方法を検討することである。中でも、タデアイから抽出される抗菌・抗ウイルス成分に着目し、抽出成分を配合した清拭剤等を使用することで、細菌増殖を抑制することを目標としている。 2022年度は、医療現場における清潔ケアの実態調査を計画し実施した。全国の医療機関を対象に清拭タオルの使用に関する実態調査をウェブアンケートにて実施した。その結果については今後、学会等に公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度から清拭剤の開発に着手する予定であったが、県産タデアイ抽出成分のセレウス菌に対する抗菌効果に関する検証が必要となり、着手できていない。セレウス菌は芽胞を形成すると言われているが、先行研究にて菌株によっては芽胞形成に違いがあることなどが明らかになった。そこで、複数の菌株を用いて芽胞形成能を確認し、芽胞形成能の違いによって抽出成分の抗菌効果にどのような違いがあるのかについて実験を重ねている。
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Strategy for Future Research Activity |
セレウス菌の栄養細胞と芽胞に対し、タデアイ抽出成分がどのような抗菌効果を発揮するのかを明らかにした上で、タオルの細菌増殖を抑制するための清拭剤の開発に取り掛かる。 また、人を対象とした実験を計画しているが、その前段階として、セレウス菌の指標菌と清拭用タオル、清拭剤を用いた基礎実験を行う予定である。清拭剤を含んだ綿タオルにセレウス菌を付着させ、一定時間常温保管した際、セレウス菌の増殖が抑制されるかについて確認したい。
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Causes of Carryover |
2022年度に購入・使用を計画していた「携帯型閉鎖チャンバー方式水分蒸散量測定装置」の購入を見合わせた。理由は、セレウス菌株による芽胞形成能の違いがタデアイ抽出成分の抗菌効果等にどのように影響するかに関する実験が必要となり、人を対象とした実験計画の実施が遅れたためである。 今後、実験結果を踏まえて研究計画の見直しを行う可能性もあるが、2023年度に機器の購入を計画する。
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