2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K10743
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Research Institution | Chubu Gakuin University |
Principal Investigator |
木村 恵子 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (30585609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 明敬 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (10788897)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | メンタルヘルス / 精神専門看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
厚生労働省は、職場でのうつ病等の精神疾患による休職を予防するために,2006年に,「労働者のための心の健康保持増進のための指針」(以下、新メンタルヘルス指針)を定めた。病院でも、この指針にそって看護師が自身で行う「セルフケア」対策や心の健康問題の予防、休職した看護師現場復帰支援について管理監督者がメンタルヘルス不調者に対する「ラインケア」を行なっている。病院での「ラインケア」実施は、看護部長や、看護師長による支援であり、産業保健スタッフとの連携は稀で、復職プログラムを使用しているケースも少なく、看護師長自身の力量の範囲内で支援していている。新型コロナウイルス感染症による離職に対しては、医療ひっ迫の状況の中「ラインケア」が十分に行われる状況ではない。この「ラインケア」を看護師長と共に担うことができるのは、精神専門看護師が適任である。2022年度は、「ラインケア」に参加できる精神専門看護師に看護師への支援内容について調査を行った。 2022年6月から12月に、精神科リエゾンチームの構成員である精神専門看護師をスノーボール方式で選出し、看護職員に対するメンタルヘルスケアの活動状況について半構造的面接により調査を行った。岐阜県の精神専門看護師2名 愛知県の精神専門看護師3名 三重県の精神専門看護師 計6名の対象者から半構造化面接調査を行った。現在日本における岐阜県の精神専門看護師は2名 愛知県は、13名 三重県調査結果情報なし、である。勤務している病院は、総合病院、精神科病院と違いがあり、リエゾン活動においても違いがあることが明らかになった。さまざまな背景をもつ精神専門看護師の実態について調査内容が完全な飽和状態とは言い切れないが、コロナ禍の看護師のメンタルヘルスサポートの現状を確認する資料となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
精神科リエゾンチーム加算を行っている病院には、チームの構成員として精神専門看護師がメンバーとなっている。精神専門看護師のメンタルヘルス不調者についての活動実態調査を行う。その結果から、看護師の新型コロナウイルス感染症に対する看護師のメンタルヘルス不調者への対応の現状と課題を明らかにし、看護師の離職予防のための役割を担えるかについて検証する。岐阜県には、2名の精神専門看護師が勤務しているので、2名の対象者に声をかけて、2022年度研究計画予定である、半構造的インタビューを行った。その後その2名の精神専門看護師より、愛知県の精神専門看護師対象者を紹介していただき、三重県の精神専門看護師もふくめ6名の精神専門看護師から半構造的インタビューを行うことができた。 6名の調査結果から逐語録を作成し、意味内容が損なわれないようにデータとして分析しやすい長さの文、文節、連文節に処理してコード化した。(コード数170)現在カテゴリー分類を実施し内容の類似性と相違性を吟味している。この作業をくりかえし、コード化している。2023年度の調査項目作成にむけての準備が整えているためおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年5月8日より、新型コロナウイルス感染症は、5類感染症となる。2類感染症の対応で、2年間医療現場も落ち着いてきた様子がみられるが、感染が真だ完全収束に至らない現状での5類感染症への医療体制の引き戻しは、しばらくは混乱を起こす可能性がある。看護職員は、また対応に追われる状態が続く。このような状況にあって、看護師のメンタルヘルスの問題は、引き続き続くと考える。メンタルヘルスに問題があっても相談もできず、就業困難となり離職する経過をとる可能性は続く。 2023年度は、2023年4月~12月に調査し分析した結果を参考に、看護職員を対象としたメンタルヘルスの状況を調査するための質問項目を作成する。作成した質問紙調査票を用い、新型コロナウイルス感染症対応病棟を有する総合病院で看護師を対象に質問紙調査を実施し、精神的ケアが必要とされる看護師の状況を調査する。得られた調査結果を調査する。精神新型コロナウイルス感染症対応の医療従事者の精神的ケアを行うことは、医療従事者が精神的健康を維持しながら業務を行うことができ、離職によって、医療を崩壊させないための医療の質の保証や医療運営を維持していくためにつながっていく根拠としたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍であり、調査対象者とのインタビューは、対面での調査を希望していたが、zoomでのインタビューとなった。そのため、移動費や、旅費の使用がなく、消耗品の購入も予想金額より、少なかったため。
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