2022 Fiscal Year Research-status Report
成人女性のライフサイクルにおける下肢のむくみと月経周期の関連
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22K10755
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 紀江 九州大学, 医学研究院, 助教 (20914568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 暢子 九州大学, 医学研究院, 教授 (80264167)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 下肢のむくみ / 月経周期 / 成人女性 / ライフサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
下肢のむくみは女性に多く、体液調節には女性ホルモンが関与する。月経が閉経まで繰り返され、下肢のむくみは加齢とともに増加することから、成人女性のライフサイクルを考慮した下肢のむくみの実態と月経周期との関連を明らかにすることは必要である。成人女性の下肢のむくみの発生の現状と月経周期の関連について明確にすることは、適切な予防や対処行動の構築に寄与できる可能性がある。 本研究の目的は、下肢のむくみと月経周期の関連を客観的、主観的に評価し、加齢に伴い変動する女性ホルモンのプロゲステロン、エストロゲンとの関連をホルモンの安定期(20、30歳代)と減少期(40~50歳代)において明らかにする【研究1】。さらに、健康成人女性の下肢のむくみの発生の現状とその発生と月経周期の関連について調査し、下肢のむくみを自覚する成人女性の日常生活や月経周期の背景を年代別に明らかにする【研究2】ことである。 令和4年度は、【研究1】について研究計画の再検討、修正を実施した。【研究1】では、唾液プロゲステロン、エストロゲンを採取し、女性ホルモンと下肢のむくみとの関連を調査する予定であるため、ホルモンレベルの個人内および個人間差を考慮したサンプルサイズの検討を行った。また、唾液プロゲステロン、エストロゲンと下肢のむくみとの関連をどのように分析するかについても研究計画の再検討を行った。令和4年4月に倫理審査に申請、6月に承認を得た。 また、本研究の前段階の研究として、令和2年度に、成人女性8名を対象に座位姿勢負荷を行い、月経周期の各期(卵胞期・黄体期・月経期)における下肢のむくみの発生の違いについて明らかにすることを目的に実施した介入研究の結果について論文を作成、学術誌へ投稿し令和4年12月に受理され、令和5年3月に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
【研究1】について、倫理審査の承認後に研究対象者のリクルートを行い、研究を開始する予定であったが、COVID-19の影響で学生の病棟実習が中止となり、予定していた調査期間に振り替え実習が実施され、研究を開始することができなかった。 また、令和5年4月より、研究代表者が研究機関(大学)を異動するため、異動後の研究機関(大学)で、研究計画の実施が可能かの検討が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の研究機関(大学)の異動に伴い、【研究1】の研究計画が実施可能かどうか検討する必要がある。下肢のむくみを評価するインピーダンス測定機器を購入し、プレテストを実施し、検討する。【研究1】の調査終了次第、【研究2】を開始する予定とする。 【研究2】では、成人女性の下肢のむくみと日常生活や月経周期の背景を年代別に明確にすることを目的とし、以下のような計画を予定している。 (1)研究対象者:健康な閉経前の成人女性400名(20、30、40、50歳代の各100名)。(2)調査内容:①個人の属性 ②日常生活:下肢のむくみの要因(一日の立位、座位姿勢の時間、運動習慣、水分摂取量、体を締め付ける衣類の着用)と予防策。③月経:月経周期日数、月経不順、月経期間、ホルモン治療、月経周期記録、基礎体温測定、月経に伴う身体的・精神的症状、月経前症候群。④下肢のむくみ:「常にある・よくある・時々ある・まれにある・全くない」の5件法で測定。下肢のむくみの悩みや生活上の不便、不満。月経周期(卵胞期・黄体期・月経期)の違いにおける下肢のむくみの自覚は「とても感じる・わりと感じる・少し感じる・全く感じない」の4件法で測定。月経周期のうち最も強く感じる期間とその頻度。(3)分析方法:下肢のむくみの有無と日常生活、月経に関する個人背景の比較はχ2検定を行い、成人女性の年代別の特徴を明らかにする。 【研究2】のプレ調査として、女子大学生、大学院生159名を対象に質問紙調査を実施、調査の結果については分析を行っている。統計解析は、統計ソフトを活用し、結果を【研究2】の調査内容や方法に活かせるよう検討中である。
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Causes of Carryover |
倫理審査の承認後に研究対象者のリクルートを行い、研究を開始する予定であったが、COVID-19の影響で学生の病棟実習が中止となり、予定していた調査期間に振り替え実習が実施され、研究を開始することができなかった。よって、調査のために必要な物品(基礎体温計、ホルモン採取用キットやホルモン分析の試薬品、インピーダンス測定機器など)や人件費は使用しなかったたため次年度使用額が生じた。データ収集のためのパソコン、データ保存メディア、SPSSなどの物品環境は整備したため、次年度は、研究施設の環境、物品整備も考慮し、前述の必要物品やインピーダンス測定機器を購入する。
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Research Products
(1 results)