2023 Fiscal Year Research-status Report
看護学生~新卒看護師を対象としたバーンアウト耐性形成プログラムの作成
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22K10756
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西本 大策 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (80757675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根路銘 安仁 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00457657)
嶋谷 圭一 千葉大学, 予防医学センター, 特任助教 (50869435)
兒玉 慎平 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (80363612)
西尾 育子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (80402163)
丹治 史也 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (80848242)
糸川 紅子 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部看護学科, 准教授 (70376218)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | バーンアウト / レジリエンス / 看護学生 / 看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護学生から新卒看護師にかけてレジリエンスの縦断評価およびバーンアウト耐性形成プログラムを実施し、バーンアウトとレジリエンスおよび関連要因の検証を行うことを目的としている。バーンアウトは、極度の心身の疲労と感情の枯渇を主とするものであり、看護の質低下、労働生産性の低下、患者への不利益、離職につながることが報告されている。一方で、レジリエンスは精神的回復や適応を表すものであり、バーンアウトとの負の関連が報告されている。新卒採用者の離職率について、2020年度は8.2%、2021年度は10.3%へ上昇し、新卒採用者の離職率が初めて10%を超えたことが日本看護協会より報告されている。加えて、2022年度は10.2%と高止まりの見解がなされている。バーンアウトに陥りにくく、陥ったとしても早期に回復する看護師の育成がこれまで以上に重要となっている。 本研究では、看護学生から新卒看護師にかけてレジリエンスの変化解明、若手研究で開発したバーンアウト耐性形成プログラムの検証を行う。バーンアウト予防が推察される資質的レジリエンスと獲得的レジリエンスは看護学生から新卒看護師にかけて高まるかどうかを評価し、プログラムの有効性を確認していく。同様の研究はこれまでになく、看護師自身の健康の保持および患者への安心安全の医療の提供、そして医療の質を高めることにおいて意義があると考える。 令和4年度は研究計画の倫理審査承認に時間を要したため、研究実施を1年延期した。令和5年度は8月から看護学生4年次生と18~22歳の同世代の就労者を対象に質問票調査を実施した。14大学から104名、同世代の就労者123名から同意を得た。現在は、同意を得られた対象者に向けた看護を語る会の実施、および追加調査の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は研究計画の倫理審査承認に時間を要したため、研究実施が1年遅れることになった。加えて、令和5年8月より、看護学生4年次生と18~22歳の同世代の就労者を対象に質問票調査を行ったが、看護4年次生から得られた回答は104名であった。今後、追跡調査における対象者数減少が予測され、追加調査実施を予定しているため、区分は「(3)やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は介入群の新卒看護師を対象に、4~9月にかけてWeb上でバーンアウト耐性形成プログラムを実施する予定である。プログラム実施後の9月頃と3月頃に質問票調査を行い、介入の評価を行う予定である。非介入群については、介入群と同じスケジュールで質問票調査を行い、質問票調査後にプログラムの実施を予定している。尚、令和5年度は十分な対象者をリクルートできなかったため、同調査を新たな看護学生に対し行っていく予定である。また、18~22歳の同世代の就労者を対象とした縦断調査も9月頃と3月頃に行う予定であり、十分な対象者数を確保できなかった場合は横断調査に切り替える予定である。 令和7年度は、これまでに看護学生と新卒看護師の十分なリクルートが出来ていた場合、得られたデータの整理・解析・公表の準備を引き続き進めていく予定である。看護学生と新卒看護師の十分なリクルートができていなかった場合は、令和5年度の質問票調査と同スケジュールで看護学生を対象に質問票調査を行い、追跡中の看護学生と新卒看護師に対しては、令和6年度と同スケジュールで介入と質問票調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
アンケート調査実施が当初計画より1年延期となったこと、および十分なリクルートが出来ていないために次年度使用額が生じた。次年度使用額について、アンケート実施時伴う尺度使用のライセンス料、インターネット利用者を対象とした調査の費用、横断結果の論文化に伴う費用、学会参加による情報収集費用、追加調査にあてる予定である。
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