2022 Fiscal Year Research-status Report
がん遺伝子パネル検査を受ける患者に対する看護支援の開発
Project/Area Number |
22K10780
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
武田 佳子 三重大学, 医学部, 助教 (80581199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望木 郁代 三重大学, 医学部, 講師 (20369614)
奥川 喜永 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (30555545)
辻川 真弓 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 教授 (40249355)
北嶋 貴仁 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (30586772)
藤原 拓海 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (80937251)
井上 佳代 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 准教授 (40378295)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | がん遺伝子パネル検査 / 進行・再発がん / 心理的サポート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、がん遺伝子パネル検査を受ける患者に必要な看護支援を開発するため、がん遺伝子パネル検査を受ける患者の認識や感情と患者が看護師に求める支援、がん遺伝子パネル検査における看護実践、がん遺伝子パネル検査における多職種が看護師へ求める役割を明らかにすることである。 2022年度は、対象者へのインタビュー調査実施のための準備を行った。インタビュー調査の調査項目の明確化のため、文献検討を実施した。 文献検討によって、進行がん患者ががん遺伝子パネル検査の受験時における心理状況や必要とする支援を明らかにした。その結果、がん遺伝子パネル検査を受け、新しい治療につながる結果を得られたがん患者は、検査そのものに対し高く満足していた。しかし、新しい治療につながる結果を得られなかった患者は心理的負担が大きいこと、「検査結果が出るまでの待機時間の長さ」「ゲノムに関する情報理解の難しさ」「がん遺伝子パネル検査にたどり着くまでのアクセシビリティの難しさ」が課題となっていることがわかった。今後、提供する支援として、プレカウンセリングの必要性やネガティブな検査結果となった場合を想定した支援、がん遺伝子パネル検査の前後における医療提供体制の整備の必要性が示唆された。また、定期的に開催されている遺伝子パネル検査、遺伝カンファレンスに参加し、がんゲノム医療に関する情報収集に取り組んだ。 現在、文献検討の結果を踏まえて、倫理審査委員会への申請準備を行っている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の申請段階において、2022年度はがん遺伝子パネル検査を受ける患者に対し、インタビュー調査を予定していた。しかし、研究分担者との議論を通じて、インタビュー調査の対象となる者は身体的・心理的に不安定な状態であることが予想されるため、インタビューによる心理的な侵襲を十分考慮し、慎重に進行することとした。
そのため、がん遺伝子パネル検査を受ける患者が、検査を受けるまでの状況、検査前後の状況、検査後の状況や、どのような心理状態であるか文献検討による調査を先行した。調査により、インタビューの調査項目に関する示唆を得ることができた。 次年度には計画通り、インタビュー調査に取り組む予定となった。 よって、本研究は、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
インタビュー調査の準備としてがん遺伝子パネル検査を受ける患者の心理状態や必要とする支援について文献検討を通じて明らかとなったため、今後の研究の推進方策として、計画通りにがん遺伝子パネル検査を受ける患者のインタビュー準備に着手する予定である。また、同時にがん遺伝子パネル検査に携わる医療従事者を対象とした調査準備も進める予定である。
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Causes of Carryover |
文献検討にて得られた研究成果を国際学会へ現地参加(東京開催)し、海外研究者とのディスカッションの計画や、質的研究での分析支援ソフト購入のため、12月に前倒し請求をした。しかし、国際学会開催時期にコロナウィルス感染症の第8波による影響のため、オンラインでの参加となったことや、研究で必要とする分析支援ソフトの購入を控えたことにより余剰が生じた。しかし、次年度以降は、コロナウィルス感染症による影響は、減少すると予想されるため、計画通り研究を推進する予定である。
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Research Products
(1 results)