2023 Fiscal Year Research-status Report
前立腺全摘除後患者とパートナーのレジリエンスを高める看護実践モデルの開発
Project/Area Number |
22K10790
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
金澤 美緒 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (00869985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 寿美恵 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (20326440)
杉山 希美 三重県立看護大学, 看護学部, 講師 (10527766)
榊 美穂子 福山平成大学, 看護学部, 助教 (60964476)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 前立腺全摘除術後患者のパートナー / レジリエンス / 看護実践モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
術後の前立腺がん患者は,尿漏れや勃起不全による屈辱感,男性としてのアイデンティティの危機を体験しながら,新たな生活様式の獲得やがん罹患による新たな生き方の模索など,様々な困難に立ち向かわなければならず,患者が手術の影響に対処して前向きに生きることを支援するうえではレジリエンスの活用が有用といわれる。申請者の先行研究によると,前立腺全摘除術後患者のレジリエンス促進には,共に暮らすパートナーの存在が重大な影響を与えていることから,前立腺がん患者とパートナーとが術後の尿漏れや勃起不全にうまく適応しながら生きることを支援するうえでは,患者とパートナーとの相互作用に着目し,双方のレジリエンスを促進することが有用と考えられる。 本研究課題では,前立腺がん術後患者とパートナーとが相互作用しながらレジリエンスを高める過程を促進する看護実践モデルを開発する。 本研究の目的は看護実践モデルを開発することであり,モデル開発はvan Meijel(2004)が提唱している根拠に基づく看護介入を開発する方法を参考に行う。開発手順には,①問題を記述する,②看護介入をデザインするために必要なものを積み上げる(文献検討,問題とニーズの分析,既存の実践の分析),③看護介入をデザインする,④看護介入の妥当性を検証する,が含まれる。 2023年度は,②看護介入をデザインするために必要なものを積み上げる(文献検討,問題とニーズの分析,既存の実践の分析)を実施した。文献検討では,日本語・英語文献を対象に「前立腺全摘除術を受けるがん患者と生活を共にするパートナーの体験に関する統合的文献レビュー」を行い,問題とニーズの分析では,「前立腺全摘除後患者とパートナーの術後生活におけるレジリエンス」を明らかにするための面接調査に向けて,倫理審査申請中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響や研究協力施設の確保が容易ではないことにより,面接調査への着手が遅れた。また,職場の人員不足が影響し,研究以外の業務が煩雑になり,研究にかける時間を削減せざるを得なかったことも遅れた理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は2段階に分けて実施することとしている。第1段階(2022~2024年度の3年間)として,まず,前立腺全摘除術後患者とそのパートナー各々に面接調査を行い,患者とパートナーとがどのように相互作用をしながらレジリエンスを高めているかを明らかにする(モデル開発手順の「問題とニーズの分析」に該当)。次に,がん診療連携拠点病院の看護師(20名程度)を対象に面接調査を行い,前立腺全摘除術を受けた患者とそのパートナーが新たな生活様式の獲得やがん罹患による新たな生き方の模索に立ち向かい,適応することを促進するために実践している看護の実際を明らかにする(モデル開発手順の「既存の実践の分析」に該当)。これらの結果と先述した研究代表者ら実施の研究結果および先行研究の知見(モデル開発手順の「文献検討」に該当)を基に,患者とパートナーとが相互作用しながらレジリエンスを高める過程を促進する看護実践モデルを開発する(モデル開発手順の「看護介入のデザイン」に該当)。第2段階(2025~2026年度の2年間)として,開発した看護実践モデルを,前立腺全摘除術後患者とそのパートナーへの看護実践に適用して評価し,必要な修正を行うことでより現実に適合する看護連携モデルに発展させる(モデル開発手順の「看護介入の妥当性の検証」に該当)。 今後は,倫理審査の結果を待って面接調査を開始し,その結果を分析する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により調査を実施できず,調査費や人件費に使用できなかった。したがって,助成金は面接調査のための旅費,学会発表のための学術集会参加費および旅費として使用する。
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