2022 Fiscal Year Research-status Report
呼吸器疾患患者の病期移行に合わせたACPをプロセスとして支援する看護モデルの構築
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22K10801
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
河田 照絵 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (40438263)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 慢性呼吸器疾患 / Advance Care Planning |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、慢性呼吸器疾患患者の病期の段階的な移行や病みの軌跡に合わせ、患者が家族、医療者とAdvance care planning(以下ACPとする)を共有し、意思決定を支えるための看護ケアモデルの構築をすることを目的としている。本年度は、慢性呼吸器疾患患者に対し、熟練看護師がどのような支援を行っているのかに着目し、インタビュー調査の分析と文献検討を中心に行った。熟練看護師へのインタビュー調査から、看護師は、患者と医療者が途切れないよう、看護師がどのような支援を行えるかを伝えながら、患者や家族の病気や治療だけではなく、療養環境、生活歴を知る対話を大事に関わっていた。それは、外来から入院、退院後と、患者と医療者が途切れない関係性を作ることを目指し、この途切れない支援を行うことで、患者の日常生活や価値観にこだわって聴き、意思決定の必要な時に価値が置かれる事柄を理解すること、また、日々の生活状況や療養への取り組み、その思いを捉えることで、変化している状況を見極めることにつなげていた。それは、意思決定をしなければならない状況やタイミングをみはからうことにもつながり、安定期と不安定期を推移する慢性疾患特有の関わりであった。また、看護師は継続的に関わることを通して患者・家族との関係性の構築だけではなく、院内外の医療チームをコーディネートする役割も果たしており、患者や家族が選択した意思決定を叶えるためのチームをつなぐ役割をもっていた。また、そのようなチームから熟練看護師が支えらえることもあり、看護ケアモデルとして構築する上でも医療チームとの協働の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はインタビュー調査を実施、分析を行うとともに、文献検討を進めてきたが、当初のスケジュールからは遅れている。今後、研究結果と文献検討から病期移行期のAdvance Care Planningを支援する上での課題も見出し、質問紙調査項目を見出していく。
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Strategy for Future Research Activity |
2023-2024年度は、慢性呼吸器疾患患者に対し、病期移行に合わせたAdvance Care Planningや意思決定支援のあり方を検討していくことを目的としている。2022年度までに行った看護師を対象とした研究から継続した看護支援の重要性が明らかになったが、実態までを明らかにすることができていない。そのため、看護支援の実態についても明らかにしていく必要を検討している。また、患者・家族の視点から医療者に求めるニーズなどについての検討の必要性もある。2023年度以降、文献検討等も踏まえて、実態調査に取り組めるよう研究計画を遂行していく。
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Causes of Carryover |
研究計画が予定よりも遅れていたため、予定の研究費の使用ができなかった。2023年度は、熟練看護師、患者・家族を対象とした調査の研究計画を進めていく。
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