2023 Fiscal Year Research-status Report
リンパ浮腫患者の運動プログラム開発のためのストレッチのリンパ還流促進効果の検証
Project/Area Number |
22K10829
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Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
福田 里砂 梅花女子大学, 看護保健学部, 教授 (40534938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 昌恵 梅花女子大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70611599)
徳田 葉子 梅花女子大学, 看護保健学部, 助教 (90796111)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 / リンパ還流 / ストレッチ / 運動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、健康成人を対象にストレッチによる下肢リンパ還流の促進効果を検証し、下肢リンパ浮腫患者にとって容易的かつ効果的な運動プログラム開発のための基礎資料にすることを目的としている。 2023年度は、2022年度に実施した文献レビューで明らかになったストレッチをもとに、下肢リンパ浮腫患者に実施可能なストレッチを検討した。 ストレッチは文献レビューの結果をもとに、下腿三頭筋およびハムストリングスのストレッチとして長座位での足関節背屈運動、大腿四頭筋のストレッチとして腹臥位(側臥位)での膝関節の屈曲運動を選定した。また、先行研究でのストレッチの効果の報告はないが、リンパ浮腫外来の患者においてリンパ液の貯留と皮膚の硬化をよく認める部位である大腿内側の内転筋のストレッチとして開脚前屈を選定した。いずれもストレッチの回数は3回に設定した。 ストレッチの伸張時間は先行研究により異なるが、30秒あるいは45秒以上のストレッチでは筋力が低下することが明らかになっている。リンパ浮腫患者における筋力の低下はリンパ浮腫の増悪につながるため、1回あたりの伸張時間は筋力の低下を招かない時間設定が必要であり、10秒、20秒、30秒、40秒の4パターンでリンパ還流への促進効果を検討することにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度は2022年度の文献レビューで明らかになったストレッチをもとに、下肢リンパ浮腫患者に実施可能なストレッチを検討し、健康成人を対象に選定したストレッチの下肢リンパ還流の促進効果を検討する予定であった。しかし、ストレッチのリンパ還流の促進効果を評価するための測定機器の選定に準備を要し、健康成人を対象としたストレッチの効果の検証には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ストレッチおよびストレッチのリンパ還流の促進効果を評価するための測定機器の選定が終了したため、健康成人を対象としたストレッチのリンパ還流の促進効果の検証作業を進めるための研究計画の作成および倫理審査の準備を進めていく。また倫理審査の承認が得られた後、スムーズにデータ収集に取り組めるように、測定機器の準備や対象者の確保の準備等を並行して進めていく。
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Causes of Carryover |
【理由】 健康成人を対象に、選定したストレッチの下肢リンパ還流の促進効果を検証する予定であったが実施に至らず、それに伴う必要物品の購入費用や対象者への謝金を支出していないため、次年度使用額が発生した。 【使用計画】 2023年度に実施できなかった健康成人を対象としたストレッチの下肢リンパ還流の促進効果の検証を行うため、研究打ち合わせ・会議研究協力者旅費(0.4万円)、専門的知識の提供(4万円)、会議費(1万円)、データ収集研究協力者旅費(0.6万円)、対象者への謝金(2万円)、デジタル温湿度計・自動血圧計(3万円)、モバイルパソコン(打ち合わせやデータ収集時に使用)(25万円)、文具(データ収集に必要な書面作成用)(1万円)、データ管理用品(ファイル、ポータブルハードディスク)(3万円)を計上した。また、ストレッチの下肢リンパ還流の促進効果を評価するためのマルチ周波数体組成計(130万円)、研究用レーザ血流計レンタル費(15万円)を計上した。
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