2022 Fiscal Year Research-status Report
乳がんサバイバーのアドバンス・ケア・プランニング態度尺度の開発と関連要因の検討
Project/Area Number |
22K10852
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
熊田 奈津紀 和洋女子大学, 看護学部, 講師 (50614187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 真由美 国際医療福祉大学, 大学院, 教授 (40375936)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アドバンス・ケア・プランニング / がんサバイバー / 乳がん / 態度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は乳がんサバイバーのACPに対する態度を質的記述的に明らかし、乳がんサバイバーのACP態度尺度を開発し、乳がんサバイバーのACP態度と関連要因を検討することを目的としている。研究1:乳がんサバイバーのACP態度の探索、研究2:乳がんサバイバーACP態度尺度の開発と信頼性、妥当性の検証、研究3:乳がんサバイバーACP態度と関連要因の検討の3段階で実施する計画である。 2022年度は、海外研究の文献レビューと研究1:乳がんサバイバーのACP態度の探索を実施した。 海外文献の文献レビューでは、がんサバイバーのACP態度の構成要素と関連要因を明らかにした。サバイバーのACP態度はACPの認知、希望、取り組み、障壁より構成されていた。年齢、年収、性別、学歴、家族背景、病状に対する認識、特定の治療体験がACP態度の関連要因として特定された。 研究1:乳がんサバイバーのACP態度の探索では、先行研究のレビュー結果から、インタビュー調査の計画を作成し、所属機関の倫理審査委員会による研究実施の承認を得た。首都圏の乳がん患者会2団体の協力を得て、乳がんサバイバー11名を対象にインタビュー調査を実施した。インタビューは対面またはZoomで、1人あたり1回30分程度実施した。インタビューの音声は対象者の同意を得て録音した。録音データから逐語録を作成し、乳がんサバイバーのACP態度に関する語りを分析対象として抽出し、Braunらの再帰的テーマ分析の手法を用いて質的記述的に分析した。分析の結果、乳がんサバイバーのACP態度として【自分と家族にとってのACPの意味づけ】、【ACPへの関心をもつ一方での取り組みに対する躊躇】、【家族を含めた終末期の理想像の形成と今できる取り組みの実施】の3つのテーマが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度に実施を計画していた研究1:乳がんサバイバーのACP態度の探索のインタビュー調査を実施し、収集したデータの分析まで終了することができたため、概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2022年度に実施した研究1:乳がんサバイバーのACP態度の探索の研究結果を論文にまとめ、学会誌への投稿を行う。また、2022年度に実施した文献レビューと研究1の研究結果から、研究2:乳がんサバイバーACP態度尺度の開発と信頼性、妥当性の検証の尺度原案を作成し、再テスト法による質問紙調査を実施する。調査はWeb調査とする。対象者は、乳がんサバイバー300名程度とし、対象者の募集は、乳がん患者会の協力を得て行う。調査結果を分析し、標本妥当性、構成概念妥当性、信頼性の検証を行う。調査の際は、研究計画を所属機関の倫理審査委員会に提出し、研究実施の承認を得る。 2024年度以降は、研究3:乳がんサバイバーACP態度と関連要因の検討のための調査を実施する。調査には、研究2で作成した尺度を用いる。対象者は、乳がんサバイバー500名程度を予定している。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大により海外渡航が制限され、国外で情報収集が行えなかった。2023年度以降、国外で開催予定の国際学会に参加し、情報収集および2022年度までの研究成果の発表を行う予定である。
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Research Products
(2 results)