2022 Fiscal Year Research-status Report
救急医療に携わる看護師向けの自殺未遂患者に対する看護教育プログラムの開発と評価
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22K10860
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
瓜崎 貴雄 大阪医科薬科大学, 看護学部, 准教授 (20584048)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自殺未遂 / 救急医療 / 看護師 / 教育プログラム / 精神看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、教育プログラムの内容を検討するために、自殺未遂患者の看護についての教育プログラムに関する文献レビューを実施した。文献検索のデータベースにはPubMedと医学中央雑誌を用い、検索は2022年4月に実施した。PubMedでは「suicide」「nursing」「education」「program」をキーワードとして文献を検索すると231件が抽出された。医学中央雑誌では「自殺」「看護」「教育」「プログラム」をキーワードとし、原著論文に限定して文献を検索すると22件が抽出された。その中から、看護師を対象とした介入研究である14文献(英文献13件、和文献1件)を分析対象として選定した。分析の結果、①教育プログラムの実施場所は複数の診療科を有する病院が多かったこと、②教育プログラムは講義が中心であり、内容は「一般的な自殺に関する知識」と「自殺未遂患者への関わりの技術」であったこと、③全ての文献で教育プログラムの効果が認められ、自殺に関する知識や態度が改善し、自殺未遂患者のケアに対する自信が高まっていたこと、を明らかにした。さらに、ほとんどの教育プログラムが対面で実施されていたことから、看護師のワークライフバランスに配慮した教育機会を提供するために、WEBを用いた教育プログラムの知見の集積が必要であることを示した。この文献レビューの成果の一部は、第42回日本看護科学学会学術集会で発表した。また、看護教育プログラムをWEBで展開するにあたって、業者との打ち合わせを開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度に実施した文献レビューの結果を纏め、論文投稿の準備中である。この文献レビューの結果を参考にして、教育プログラムの内容を検討するとともに、研究倫理審査委員会の受審の準備を進めているところである。以上から、現在のところ概ね予定どおりに研究は展開していると考えられる。但し、2023年度から研究代表者の所属機関が変更になるため、異動に伴って、研究の進捗に遅れが生じる可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
①2022年度に実施した「自殺未遂患者の看護についての教育プログラムに関する文献レビュー」の論文投稿を行う。 ②看護教育プログラムの評価指標を検討する。当初予定していたGHQはWEBでの実施が不可とのことであったため、精神健康度を測定できる尺度を再検討する。適切な尺度が見つからなかった場合は、VAS(visual analogue scale)の活用も考慮する。 ③所属機関の研究倫理審査委員会を受審する。 ④業者と連携して、教育プログラムの作成を行う。
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Causes of Carryover |
2022年度は先行文献をレビューすることによって、教育プログラムの内容や展開方法を検討した。実際に教育プログラムの作成にまで着手することができなかったため、次年度使用額が生じた。 2023年度は文献レビューの結果を踏まえ、所属機関の研究倫理審査委員会を受審後、教育プログラムの作成を行う予定である。次年度使用額はこれに充当する。
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