2023 Fiscal Year Research-status Report
離島における精神障害者家族の「親亡き後」に向けた準備の支援技術の開発
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22K10865
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長澤 寮 新潟大学, 医学部, 助教 (00896863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 勝 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30306237)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 離島 / 精神障害者 / 家族支援 / 親亡き後 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究対象者である精神障害者家族7名に対し、インタビュー調査を実施した。対象者は、全員が統合失調症患者の親であり、母親が6名、父親が1名であった。対象者の年齢は、60代1名、70代4名、80代2名であった。同居をして世話をしている者が6名おり、1名のみが別居(グループホームへ入居)していた。 インタビューの内容は、「親亡き後に備えた準備内容や準備状況」「同居に対する問題意識や別居の必要性の認識」などである。インタビューの結果からみえてきたことは、親亡き後への準備の必要性を認識しながらも、その準備状況は、子である統合失調症患者の病態や状況・年齢などによって変わってくるということである。特徴的であったのは、80代の対象者が「自身の高齢化により死が身近に感じてきたことに加え、子が年齢を重ねてきて病状の落ち着きがみられるようになったため、ようやく患者のグループホームへの入居が実現した」と語ったことである。また、グループホームへ入居する過程では、障害者相談支援事業所や役所の社会福祉課からサポートを受けた経験が語られ、支援者の存在の重要性を認識していた。そういった支援者が早期に介在できるように、医療機関・事業所・行政(保健師ならびに担当部署の専門職者など)の連携が重要であるといえる。 また、本研究の遂行のため、精神障害者家族会・相談支援事業所・就労支援事業所などとの関係構築を図ることができた。引き続き、研究結果等が地域に還元されることを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に新型コロナウイルス感染症の影響があり、研究対象者との接触が困難だったことで、当初計画から1年ほど後ろにずれ込んでいる状況になっている。保健師を対象としたインタビューに着手できておらず、今後、交渉を再開していく。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象者から、さらなる語りの集積を目指す。さらに10名の研究対象者から内諾を得ており、同意を取り交わすことができ次第、速やかに調査を実施する。 精神障害者家族会への参加し、その場に集まる家族・保健師・福祉職などとの情報交換を通して、親亡き後の準備支援の検討を図る。
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Causes of Carryover |
当初計画のように渡航し調査をすることができなかったため、次年度の渡航費用として使用する。
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