2024 Fiscal Year Research-status Report
病棟看護師が死別体験から成長へ向かうデスカンファレンス方略の開発に関する検討
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22K10867
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| Research Institution | Ichinomiya Kenshin College |
Principal Investigator |
安藤 詳子 一宮研伸大学, 看護学部, 教授 (60212669)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 鮎美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (60521854)
佐藤 一樹 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (60583789)
小澤 直樹 一宮研伸大学, 看護学部, 講師 (80908260)
増永 悦子 一宮研伸大学, 看護学部, 准教授 (00465569)
小野寺 美佳 一宮研伸大学, 看護学部, 助教 (80962258)
中島 奈緒子 椙山女学園大学, 看護学部, 助教 (10829047)
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | デスカンファレンス / 死別体験 / 看護師 / グリーフ / 心的外傷後成長 |
| Outline of Annual Research Achievements |
死別体験は、人間の限りある生命に直面した無力感や深い悲しみ、関係を築いた人を失い自らの身体の一部を奪われたような喪失感をもたらす。患者の臨終に立ち会う病棟看護師は、その死別による深い悲嘆を体験するが、自らを専門職として律することで悲しみの感情を抑制し、自身の心の痛みにも気づく間もなく日々のケアに追われている。そのため、心の感受性が失われバーンアウトや離職に至る看護師も少なくない。近年、死別を含む‘否定的体験からの成長’が重視され、看護師においても死別体験を通して人として専門職として成長していくことが望まれる。本研究は、患者との死別による看護師の悲嘆を支援する具体的アプローチとして、デスカンファレンス(以下DC)に着目した。今まで個人に委ねられてきた死別体験から成長への対処行動を組織的に支援することを意図し、看護師が死別体験から成長に向かうDCの方略を明らかにすることを目的とした。 2022年度、全国の緩和ケア病棟とがん診療連携拠点病院の消化器・呼吸器系病棟勤務の看護師長に対する調査結果から、「DCの効果的な運用手引き案」を作成した。DCの「開催の方法」として目的・時期・時間帯・参加職種・記録等について現実的な方法を明示し、DCの「進行の方法」として「発言しやすい雰囲気づくり」「安心して感情を表出できるための配慮」「無理のない肯定的な捉え方の共有」等の項目で構成した。 2023年度、予定していた調査について、対象と分析方法を再吟味して変更したため、調査の実施を2024年度に変更した。 2024年度、緩和ケア認定看護師・がん看護専門看護師10名程度を対象とした面接調査と全国の緩和ケア認定看護師を対象とした質問紙調査を実施した。 2025年度、2つの調査結果分析から「DCの効果的な運用手引き案」の妥当性を確認し、実際の病棟に導入を試みる。完成すれば臨床への活用を期待できる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度、計画通り「DCの効果的な運用手引き案」を作成した。「手引き案」は、申請者らが実施した2020・2021年における調査結果の分析から、DCの「開催の方法」と「進行の方法」により構成した。DCの「開催方法」は、目的・時期・時間帯・参加職種・記録等に関する12項目であり、DCの「進行方法」は、「発言しやすい雰囲気づくり5項目」「安心して感情を表出できるための配慮6項目」「無理のない肯定的な捉え方の共有3項目」の計14項目とした。 2023年度、研究初期に計画した調査の対象と分析方法について、時間をかけて十分に吟味した。がん看護専門看護師・緩和ケア認定看護師、がん看護学専門の大学教員等でZoom会議により意見交換し、「手引き案」を吟味するとともに研究全体についても討議し、調査方法を変更した。 2024年度、東海地方の緩和ケア病棟を有する病院に勤務する緩和ケア認定看護師・がん看護専門看護師を対象とし、DCの参加経験があり、その体験を言語化できることを条件に依頼し、9名の協力を得ることができた。5月から調査を開始し、面接で得られた語りを逐語緑に起こし、順次、質的帰納的分析に取り組んできた。また、9月から11月の3か月間に、全国の緩和ケア認定看護師に質問紙調査を依頼し、所属病院を通して785名に調査票を配布し、Web上で232名の回答を得た(回収率29.5%)。調査内容は、対象者の背景、DC開催方法、DC進行方法、DCに関する自由記述と、有益性発見尺度12項目である。この尺度は、坂口(2002)が作成した尺度を西田ら(2011)が患者の死を体験した看護師の成長に関連する要因を明らかにして看護師の成長として提示した12項目である。得られたデータについて分析を開始した。
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| Strategy for Future Research Activity |
2025年度、2つの調査結果について分析を進める。1つに、面接調査で得られた9名のがん看護専門看護師・緩和ケア認定看護師の語りを質的帰納的に分析して、参加したDCの具体的内容、そのDCに対する振り返りと印象深いこと、患者との死別からDCを通して看護師自身が成長に向かうと考えられる体験、DCに参加する際の看護師の準備(心構え)として考えられることを抽出する。2つに、実施した質問紙調査の結果を分析し、「手引き案」の項目に対する賛同率を算出する。賛同率が低い項目については、自由記述の内容を参考にして「手引き案」の妥当性を検討する。また、対象者背景に関連する傾向があるか、探索する。加えて、有益性発見尺度12項目(坂口:2002)の結果から、DCの経験を通して成長しているという主観の度合いについて、先行研究と比較する。2つの調査結果を合わせて検討し、「DC運用手引き案」を完成する。 そして、「DC運用手引き案」の効果について検討するために、A県内の医療施設に協力を依頼し、実際の病棟に「DC運用手引き案」の導入を試み、従来通りの場合とDC運用手引きを用いた場合を比較する。また、DCが“患者との死別体験から看護師自身の成長に向かうための一助となり得るか”について病棟看護師に問う。対象者背景(看護師歴・看取り人数等)、病棟背景、DC情報(開催理由・所要時間・参加職種等)、有益性発見尺度12項目(坂口:2002)を用いてDCの経験を通して成長しているという主観の度合いについて調べ、「DC運用手引き案」について臨床における有用性を確認する。完成すれば臨床への活用を期待できる。
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| Causes of Carryover |
2024年度に計画していた介入研究を実施できなかったこと、学内業務の多忙さから学会発表等の参加回数が予定より少なくなったことにより、執行額が下がった。 2025年度は、A県内の医療施設に協力を依頼し、実際の病棟に「DC運用手引き案」の導入を試み、従来通りの場合とDC運用手引きを用いた場合を比較する。その遂行とこれまでの蓄積してきたデータを学会等で発表したり、情報交換をするために学会に参加したりする計画である。
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