2022 Fiscal Year Research-status Report
入院中のがん患者の自殺に関わった看護師に対する包括的マネジメントモデルの構築
Project/Area Number |
22K10885
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
大山 末美 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (40514245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 ふみ子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (10276876)
藤浪 千種 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (30455026)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | がん看護専門看護師 / がん患者の自殺に関わった看護師へのサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は,入院患者の自殺の半数ががん患者であることに着目し,入院中のがん患者の自殺に関わった看護師に対するサポート経験をもつがん看護専門看護師(以下,がん看護CNS)と病棟管理者の実践知を活かした包括的マネジメントモデルを構築することである。 本研究を達成するために,本年度は国内外の文献検討内容から,入院中のがん患者の自殺に関わった当該看護師と患者に関する情報収集や情報共有,サポートの内容,期間,サポートする必要性のある人的範囲をどのような思考から行動化へと移行しているのかを抽出し質問紙を作成する計画とした。 2022年度は本研究の基盤となる文献検討を行った。国内論文は,医学中央雑誌Web版Version.5を用い「自殺」「支援」を検索語に検索条件を「原著」,検索期間を2010~2020年とし,国外論文は,PubMedを用い検索語を「inpatient suicide」「support on nurse」,検索条件を10year,Englishとした。選択基準は「自殺に遭遇した看護師,スタッフへのサポートに関する記述がある」こととした。その結果,国内,国外文献それぞれ66件,60件が抽出され,選択基準に合致した国内文献7件,国外文献3件を対象文献とした。結果,研究対象とされた医療施設の類型は,精神病院が6件,一般病院が3件,無記載が1件であった。 文献を精読し調査票の項目を研究者間で精選し,入院中の患者の自殺の取り扱いルート,自殺があった時のがん看護CNSのアセスメント,関わりの内容などの項目を立て調査項目として検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大,感染状況悪化に伴う大学教育エフォートの増大,および研究参加者であるがん看護専門看護師の業務多忙に伴い,調査票の妥当性の検討を行うための専門家会議開催が困難な状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,全国の入院中の患者の自殺に関わった経験をもつがん看護CNSと病棟管理者を対象にその現状や困難に関する郵送調査を行い個人と組織へのサポートの現状や困難に関する実態を明らかにする。 そのために,文献検討から作成した調査票の妥当性の検討を行い,郵送調査を行う予定である。対象者は入院中のがん患者の自殺に関わった看護師へのサポート経験があり,かつがん看護CNS,病棟管理者として3年以上の経験がある者とする。文献検討から入院中の患者の自殺に関わった看護師に対するサポートの実践と具体的内容を抽出し整理した調査票を作成する。調査票の内容妥当性は研究者代表者と研究分担者の3名と研究協力者となる入院中の患者の自殺に関わった経験をもつがん看護CNS2名,病棟管理者2名で行う。本調査票を日本看護協会ホームページに掲載されている全国のがん看護CNSとがん診療連携拠点病院の病棟管理者(同一病院からの返答が多くなるような偏りを避けるため,1病院2名までとする)へ郵送法で調査し,その実態を明らかにする。
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Causes of Carryover |
2022年度は,COVID-19の感染拡大及び感染状況悪化により,当初予定していた専門家会議,研究参加者である国内の医療者に対して郵送調査の遂行が困難であった。2023年度は,専門家会議および国内の医療者に対して郵送調査を行うため,専門家会議参加者への謝金・旅費,郵送調査費用を使用予定である。また,最新の知見を得るために,国内開催の学会への参加に伴う参加費,旅費を使用予定としている。
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