2023 Fiscal Year Research-status Report
炎症性腸疾患患者への認知行動療法による疲労感管理プログラム考案と予備的介入研究
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22K10893
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田中 真琴 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (50431763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 明希 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (00734021)
高野 歩 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (00771883)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 / クローン病 / 疲労感管理 / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease: IBD)は病因や治療法に関する研究の進歩により薬物療法による寛解導入が比較的容易となり、患者のQOL向上のための最優先研究課題に疲労感管理が挙げられている。まだ疲労に着目した介入研究は多くないが、認知行動療法による疲労感管理プログラムの効果が先行研究で示されている。。認知行動療法は対面で個別に時間をかけるものが多く、実臨床での実装にはマンパワーの課題があることから、本研究は、IBD患者を対象とした情報通信技術の活用を組み入れた疲労感管理プログラム開発を目的としている。3年間の目標としては、1. 疲労感管理に関する日本の炎症性腸疾患患者のニーズを把握し、2. 疲労感管理能力向上を目指した認知行動療法を中心としたプログラム内容を考案し、3. 考案したプログラムを予備的に実施し、実施可能性、有効性、効率について評価する、としている。 2022年度はwell-beingや疲労の問題の実態、疲労感管理に関する日本の炎症性腸疾患患者のニーズ、情報通信技術の活用を組み入れた疲労感管理プログラムに対する認識を把握するための調査を実施した。また、国内外のIBD患者の疲労に関して調査した文献のレビューを実施した。IBD患者を対象とした調査では、492名から有効回答があった。文献レビューでは、疲労を評価している国際比較が可能な文献の同定を終え、各文献からテータ抽出を終えた。
2023年度は、2022年度に行った調査の分析結果をまとめ国内外の学会にて6件の演題を発表した。1件論文公表、さらに他も論文投稿の準備も進めている。2022年度に実施した調査においてアプリ使用意向に関する質問項目に関心があると回答した患者のうち、11名に認知行動療法アプリの使用に対するヒアリングを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
疲労評価のために調査に用いた調査票(FACIT-F)にて把握可能な他の内容についても貴重な知見を得られたため、目的を追加し、研究成果をまとめた。 申請時の視点に加え、新たに追加した視点に対しても調査結果をまとめ、国際誌に1件論文発表、国際学会で5件国内学会で1件の発表ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今のところ、おおむね順調であり、調査協力施設との連携を続け、研究を継続してゆく
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Causes of Carryover |
年度末に国際学会があり、そこでの支出が予想されたために、通貨レート変動もあるため年度予算がマイナスにならないよう支出に注意していた。結果として清算後、年度使用額が下回り繰り越しが生じた。 次年度使用計画は、申請時点の計画ではコロナの影響で学術集会がハイブリッド形式開催が多く旅費を低く見積もっていたので、学術集会での公表の費用にあてる。
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