2022 Fiscal Year Research-status Report
Deveropment of the compression treatment in the lymphedema elderly after cancer treatment
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22K10902
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
塚越 みどり 東海大学, 医学部, 特任教授 (60405016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 朋子 (大塚朋子) 湘南鎌倉医療大学, 看護学部, 講師 (40413257)
前川 二郎 横浜市立大学, 医学研究科, 客員教授 (70244449)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 / 高齢者 / 圧迫療法 / 弾性着衣 / 弾性ストッキング |
Outline of Annual Research Achievements |
リンパ浮腫の保存療法における主たる治療法は圧迫療法であり、弾性着衣の装着によって継続的に患肢へ圧をかけて浮腫の軽減をはかる。圧迫療法の適応は、小児から高齢期まで多岐にわたり、発達段階、生活背景、身体能力、機能障害の程度に応じた適切な圧迫用具を選択することが必要とされる。しかし、下肢リンパ浮腫では、年代別の圧迫治療用具についての報告は少なく、我々の関わる症例を示しながら、圧迫療法の課題を検討した。本年度は、継続的に外来通院する下肢(原発性・続発性)リンパ浮腫症例の年代別の特徴を示し、圧迫治療用具を検討した。学童期から青年期は、日中は弾性ストッキングでの調整をするが、学校生活、課外活動の影響があった。平編みは着用できず、整容面で丸編みでの圧迫に変更しており、集団生活が中心の発達段階では着用継続が難しかったが、青年期、成人期にむけた長期的な視点で通院が継続できるよう指導を行った。成人・壮年期は、重症度に応じた圧迫圧で平編みの着用、丸編みとの重ね履きも可能となるが、就労環境や仕事内容、体重増加、季節などの影響を受けていたため、具体的な就労や仕事の内容をふまえて弾性着衣の調整、変更を行い、体重コントロールの必要性や季節に応じた着用方法を指導した。老年期は、膝関節、股関節疾患による可動域減少、疼痛、身体活動性の低下、介護者の負担、費用負担、着脱動作が容易でなくなり、今まで着用できた弾性ストッキングから夜間簡易圧迫装具に弾性包帯を加えるなど、圧迫方法の変更が必要となっていた。圧迫方法の変更にあたっては、複数の圧迫用具を一定期間試し、患者自身や介護者が継続できるかを評価した。年代別の特徴をふまえ、圧迫治療用装具の選択、再調整が必要であり、今後は着脱が容易で継続可能な新たな装具の開発が望まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の対象患者の身体能力、健康状態、浮腫の経過を年間を通じて確認することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度の新規対象患者に、R4年度同様に以下を実施する。R4年度に登録した患者の患肢体積、浮腫の状態、蜂窩織炎、BMI、運動、スキンケア、生活負荷、QOLを引き続き数量的に評価する。年間50名以上の患者数を目標とする。 1.握力や関節可動域の実測、がん治療、浮腫の経過、これまでの圧迫療法、患肢体積、BMI、皮膚の圧痕、状態、蜂窩織炎の頻度、使用中の弾性着衣の圧測定、使用時間、生活背景、QOLを明確にし、現在の圧迫療法を評価する。治療意欲、身体各部の疼痛の有無を確認する。 2.圧迫圧測定機器のプローブを患肢(上肢:前腕、上腕、下肢:下腿、大腿)へ装着し、握力、関節障害に応じて、着脱が容易にできる弾性着衣(ストッキング・スリーブ・グローブ)、筒状包帯、ベルクロ式圧迫治療用装具、弾性包帯など圧迫治療用装具を組み合わせて調整する。日中の着用ができるよう手技を指導する。 3.着用下で実施可能な運動、体重管理、スキンケア、合併症予防、適切な自己管理方法を指導する。 4.定期的(6ヶ月毎)に患肢体積、皮膚の状態(皮膚色、熱感、圧痕、硬さ、角質化)、蜂窩織炎、運動、生活負荷、QOLの変化を数量的に評価し、再調整する。
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Causes of Carryover |
国際学会への出席を予定していたが、感染の状況から渡航することができなかったため、残金が生じた。次年度は国際シンポジウムへの参加を予定している。
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Research Products
(2 results)