2023 Fiscal Year Research-status Report
慢性痛の歪んだ情動に特化した新たな治療プログラムの構築
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22K10919
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Research Institution | Reiwa Heath Sciences University |
Principal Investigator |
田中 真一 令和健康科学大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30610969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸川 由紀 西九州大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30783360)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 慢性痛 / 情動 / 仮想体験 / VR |
Outline of Annual Research Achievements |
新たな病気と称される慢性痛の治療は難渋しており,患者は増加の一途を辿っている。近年では自殺の原因として慢性痛が報告されるようになった。肩こりや腰痛などに対して,痛みの軽減を目的に電気治療や温熱療法など物理療法が病院やクリニックで多用され,数か月継続していることもある。しかし,慢性痛は痛みがある部位にアプローチを行っても効果がなく,治療のエビデンスは低いことがガイドラインに示されている(慢性疼痛診療ガイドライン,2021)。一方,慢性痛に対する運動の効果についてエビデンスは高い。しかし,慢性痛患者は,「動くと痛みが強くなるかも」,「やる気がない」など運動の実行に対して消極的であり,破局的思考が強いと歩行機能が低下する(申請者,2019)など身体機能の低下もあり積極的な運動を嫌う傾向がある。そこで,本研究は,破局的思考が強い腰痛と膝痛の患者を対象に,バーチャルリアリティー(以下,VR)にて散歩や旅行などの仮想体験や簡単なゲームを実践することで破局的思考が弱まるか否か,さらに破局的思考が身体機能に及ぼす影響について検討することでVRの有効性を示し,慢性痛の新たな治療プログラムの構築を確立することを目的とする。 現在、研究協力施設でデータ収集を実施しているが、新型コロナウイルス対策のために外来患者の減少が未だに継続しており、計画にあげた対象者数に達していない。 コントロール群において、慢性痛を抱えている対象者の傾向として社会的活動意欲および参加が低い傾向があり、さらには社交的感覚も低い傾向があることが示唆された。現在、統計的分析を進めており、コントロール群のデータをもとに論文作成を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、研究協力施設でデータ収集を実施しているが、新型コロナウイルス対策のために外来患者の減少が未だに継続しており、計画にあげた対象者数に達していない。現在はコントロール群として100名データ収集済みであるが、仮想体験群(介入群)は数十名である。この理由としてVR酔い、および装着することに対して閉鎖感があり拒否傾向が強くデータ数が伸びていない。現在は眼鏡タイプで圧迫感がないVRを使用しながら、データ数を増やす計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
医療施設でデータを取ることから、新型コロナウイルス対策から対象者が急激に増える見込みがないことら、このまま継続してデータ収集を行っていく。圧迫感が強いVR装置と、眼鏡タイプで画像を見られる装置を準備済みであり、対象者が快く仮想運動を体験できる環境整備に努めている。この結果、快諾してくれる対象者が増加傾向にある。
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Causes of Carryover |
研究介入方法の装着といてVR機器を使用しているが、VR酔いおよびVR装着時の圧迫感が強く介入データが取りにくい状況である。そこで眼鏡のように耳にかけるタイプの機器(VITURE)を購入したため。
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