2022 Fiscal Year Research-status Report
小児1型糖尿病患者のためのデジタル版移行期手帳の開発と有用性の評価
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22K10953
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
野本 美佳 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (90830901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薬師神 裕子 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (10335903)
濱田 淳平 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80637900)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 移行準備 / 移行期手帳 / ガイドライン内容選定 / 長期的支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究における2022年度の成果は、小児糖尿病サマーキャンプのOB/OGから聴取した体験談から、成人期医療に移行していく過程における体験を整理し、それも参考にしながら、移行期手帳に記載する内容について再度検討したことである。小児期に1型糖尿病を発症した3名の青年期患者に対し、現在に至るまでの①知識獲得(インスリンの作用や副作用、合併症、糖尿病の性の健康への影響についての理解)の経緯と、②行動について(単独受診開始の時期やきっかけ、受診時の様子、相談相手、糖尿病と付き合う上での工夫)、③糖尿病の受け入れについて、オンラインによるグループインタビューを行った。インタビューの時間は123分であった。 得られた体験談を逐語録におこし、質的分析を行った。分析の結果、30のサブカテゴリーと、10のカテゴリーが抽出された。以下に分析結果を示す。 ①糖尿病の受け入れ状況にはさまざまなものが影響する、②糖尿病の受け入れ状況は行動に直結する、③精神の発達と共に糖尿病についての理解が進む、④危機感を持つことが行動を起こすきっかけになる、⑤親の過保護による困難を感じる、⑥さまざまな「自立」が進むことで単独受診ができるようになる、⑦主治医と話す力をつけると糖尿病とうまく付き合える、⑧大人になっても心の揺れによる行動の変化がある、⑨同じ糖尿病の人、糖尿病に携わっている人に相談する、⑩やりたいことをするための工夫を諦めないの10カテゴリーが抽出された。 これらの結果を、小児1型糖尿病患者を対象とした移行期手帳の内容に反映させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
計画では、今年度にデジタル版移行期手帳のアプリを開発することとしていたが、前身の研究結果の分析と論文化に時間を要したこと、また、OB/OGの体験談を活かすために、移行期手帳の内容を修正することにしたため、移行期手帳が完成できず、アプリ開発までに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られたOB/OGの体験談も踏まえて、移行期手帳の内容を修正、洗練させて、2023年度は移行期手帳を完成させる。 また、デジタル版移行期手帳(e-移行期手帳)のアプリ作成にあたり、維持費用の問題がある。「移行期」にあたる期間は長く、2・3年だけのアプリ使用では、移行の準備を整えるための支援として、期間的にも十分とは言えず、途中でアプリが使用できなくなってしまっては、支援が中途半端になってしまう恐れがある。今後、対象者が、長期的に継続して使用できるツールとして、アプリが最適なのか、アプリ以外により効果的なツールはないか、さらに情報収集を進め、移行期にある小児1型糖尿病患者が移行の準備を整えるために活用できる、より良いツールを決定する。そして、対象者が実際に使用できるよう準備を進める。
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Causes of Carryover |
計画では、初年度にデジタル版移行期手帳のアプリを開発することとしていたが、前身の研究結果の分析と論文化に時間を要し、移行期手帳の内容も修正することとなったため、アプリ開発まで至らず、アプリ開発費用を今年度は使用しなかったため、次年度使用額が生じた。
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