2023 Fiscal Year Research-status Report
侵襲性新生児GBS感染症予防のための母児感染予防支援プログラムの開発
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22K10959
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
脇本 寛子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (40336706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 久子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00230285)
長谷川 忠男 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (10314014)
佐藤 剛 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (80326149)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 看護学 / 感染症 / 母子感染予防 / GBS / 薬剤感受性 / 血清型 / CovR/S / MLST |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,①新生児GBS感染症の発症要因を明らかにする.②発症株と非発症株の微生物学的な異同を明らかにする.③新生児GBS感染症予防に有用なGBS保菌妊産褥婦へのケア・保健指導を明らかにする.以上を統合し,新生児GBS感染症予防のために我が国の至適GBS母児感染予防対策とケアを開発することを目的としている. 令和5年度は,第一研究(①②)は,新生児GBS感染症5例(早発型1例,遅発型3例,超遅発型1例)の情報収集を行った.さらに,研究対象者から検出されたGBS菌株4株を収集した.発症率を算出するための出生数についても情報収集を行った.血清型,薬剤感受性,MLST解析は,試薬を効率的に使用するため次年度早々に実施することとした.本研究の累積症例は,11例となった.予防法の普及により,発症数が激減しているが,どの症例も貴重な症例であり,なぜ発症したのかを丁寧に解析している.CovR/S変異の解析は,解析対象とするGBS菌株の選定を,母児ペアでGBS菌株が収集でき,かつ,児は血液もしくは髄液由来の菌株に焦点を絞ることとした.その結果,CovR/S変異の解析対象株はなかった.今回は,感染経路として経母乳感染が示唆された症例はなかった.第二研究(③)は,現在までに得られた知見をもとに,感染予防の観点から,早産児など直接授乳できない場合の乳房ケア,手指衛生の指導,母乳の管理方法の指導に焦点を当て,GBS保菌妊産褥婦へのケア・保健指導内容について明らかになるよう今後の方策について検討を重ねた.また,今年度は,国際学会や研究会に参加し,本研究に活かすことができる知見を得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一研究は,GBS感染症発症例およびGBS菌株の収集を継続して実施することができた.細菌学的解析は,試薬を効率的に使用するため次年度早々に実施することとした.第二研究は,GBS保菌妊産褥婦へのケア・保健指導内容について明らかにするために,検討を重ね,早産児など直接授乳できない場合の乳房ケア等に焦点を当てることとした.また,国際学会や研究会に参加することで,本研究に活かすことができる知見を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
第一研究は,引き続き症例収集およびGBS菌株収集を行い,細菌学的解析を優先する.発症状況と菌株由来と血清型,薬剤感受性,MLST型との関連を検討する.また,現在までに解析を完了した菌株において,共同研究者と結果を確定する.今年度はCovR/S変異の解析対象株がなかったため,GBS菌株の病原性の解析方法について共同研究者と解析方法を検討する.第二研究は,現在までの検討により得られた,新生児GBS感染症予防に有用と考えられるGBS保菌妊産褥婦へのケア・保健指導の内容の評価を行う.
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Causes of Carryover |
試薬を効率的に使用するため,細菌学的な解析は次年度に実施することとした.CovR/S変異の解析対象を絞り込み,今年度は解析対象がなかったため,次年度使用金が生じた. 次年度は,早々に細菌学的解析を優先して実施する.GBS菌株の病原性の解析方法を検討し,その解析のための試薬に使用する.成果発表および最新の知見を得るため,第33回日本新生児看護学会(11月長野)の旅費,学術集会参加費,研究を継続して実施するための研究協力施設への市内交通費,研究成果論文投稿料,研究対象者および研究補助者への謝礼に使用する予定である.
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