2022 Fiscal Year Research-status Report
不育症女性に対する認知行動療法アプリの無作為割付試験による有効性の検証
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22K11012
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小笠原 桜 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 病院助教 (50896008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 真弓 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30264740)
古川 壽亮 京都大学, 医学研究科, 教授 (90275123)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / 不育症 / 習慣流産 / 反復流産 / 流産 |
Outline of Annual Research Achievements |
不育症とは「妊娠は成立するが、流産・死産を繰り返して児を得られない状態」と定義され、妊娠経験者の5%が罹患している。適切な管理によって不育症患者の85%が出産できるが、誤った認識から自分を責め、流産を繰り返すことによる心身の負担から、不育症患者の 15%に抑うつ・不安障害が発症している。うつ病の治療に効果が示されたアプリを改変して、不育症に特化した認知行動療法アプリ「モナリザ」を開発した。アプリで不育症の正しい知識を得て、手軽に認知行動療法(CBT : Cognitive Behavioral Therapy)に取り組める。 令和3年4月から、16例を対象にパイロット試験として探索的単群無対照介入試験を行った。アプリによる介入開始から8~12週目に半構造化インタビューを行い、アプリがどのように受け取られ、どのような改善が望まれるかを明らかにし、アプリやシステムについて、使用を促進または妨害する要因を検証した。パイロット試験の結果を踏まえてアプリをさらに改変し、令和3年8月に完成した。また、パイロット試験では8週目にPHQ-9の有意な低下が見られた。 令和3年10月より、完全要因ランダム化比較試験のリクルートを開始した。CBTの5つのスキルについてあり・なしを割り付けるため、32通りのプログラムとなる。32通りのCBTプログラムのいずれかに無作為に割り付けられ、8週間の介入を受ける。現在約260名の割り付けが完了している。CIDI(0週目)、PHQ-9(毎週)、GAD-7(0,8週目)、 により、うつ・不安状態を評価する。CBTスキルについて、0, 4, 8週目に評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年10月より、完全要因ランダム化比較試験のリクルートを開始し、現在約260名の割り付けが完了している。目標割り付け数は352名であり、現在7割以上達成している。順調にリクルートが進行すれば、今年度中に割り付けが完了する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もこれまで通り、共同研究施設とともにリクルートを推進する。
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Causes of Carryover |
雇用予定であったリサーチコーディネーターが不要となったためである。次年度はアプリの保守費用に充当する予定である。
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