2022 Fiscal Year Research-status Report
分娩進行を「手」で診て臨床推論につなげる自己学習支援システムの開発
Project/Area Number |
22K11014
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
今村 朋子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (20458095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 明子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師 (90634402)
伊藤 美香 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (50791026)
瀧本 千紗 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (50806768)
山下 玲子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 特定教員 (00942351)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 助産学生 / 臨床推論 / 分娩進行 / 自己学習支援システム / 触診 / 内診 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、分娩進行を「手」で診て臨床推論につなげる自己学習支援システムを開発することがゴールであり、研究計画は、【自己学習支援システム教材開発】と【学生の自己学習への活用と調査】の大きく2つの工程に分け、それぞれの成果をフィードバックしながら、試作開発→プレテスト→修正のプロセスを繰り返すことで教材を洗練させることである。 まず、1年目であるR4年度は、【教材開発 A/B/C】の工程として、学生が多く経験するような事例を参考に、「教材開発A:臨床推論クイズの基本フローチャート」の流れを修正し、学生へのクイズの出し方や、回答の仕方の大枠について基本的なフォーマットを作成した。 また、フローチャートに従って、予定していた4事例のシナリオを作成したが、そのシナリオに合う教材がなかったため、クイズの設定に合致した子宮口などの必要パーツを新たに作成し、推論クイズのケースと診察所見がつながるようにしたことが今年度の大きな成果である。このパーツ開発により、「教材開発C:「手」を磨くトレーニング教材」が整備され、事例として設定可能な場面が広がり、現在、学生の演習ブースで活用しながら、教材の精度を検討しながら改良を重ねているところである。 また、「教材開発B:臨床推論学習オンライン教材」の開発で、クイズの内容をMoodleに構築する予定であったが、まだシステムの構築はできておらず、現状では、紙ベースでのクイズの出題を主としている。ただ、クイズの解説については、説明動画5本を作成し、Moodleにアップロードすることで、学生が、自己学習としてクイズに回答した内容を即座にオンラインで確認し、それを見ながら学びを深めるという流れを構築することができ、生体モデルとオンライン教材を融合した教材の開発に近づけることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた数のシナリオ作成ができたことと、パーツ開発により、「手」を磨くトレーニング教材が整備されたことは、進捗として順調である。子宮口や児頭のパーツ開発は、何度も検討を繰り返しながら、想定した以上にリアルで教育意図をふまえた教材を開発することができたことは、順調な進捗である。 また、解説動画をMoodleにアップロードして活用することができたことは、今後、クイズのMoodleへの構築作業へとつながるものであり、生体モデルとオンライン教材を融合した教材の開発に近づけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度の予定は以下のとおりである。 【教材開発】 ①教材開発A:シナリオ作成:今年度も追加の4事例のシナリオを作成し、事例の幅を広げる。②教材開発B:上記シナリオを、Moodleを活用したオンラインに組み込む方策を模索し、臨床推論学習オンライン教材の開発に近づけていく。なお、昨年の解説動画はそのまま活用するとともに、新たなシナリオの解説動画を追加で作成する。③教材開発C:手を磨く教材の整備:R5年度は、R4年度に新たに開発できたパーツを実際に使用して、クイズを学生に活用する中で、手を磨く教材の改善点があれば、より良いいモデルへと改良していく。 【学生への活用と調査】 R4年度は、学生への教材活用までは行っているが、詳しい調査まではできていない。そのため、R5年度は、学生のクイズへの回答状況の分析やアンケート調査を開始していく予定である。
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Causes of Carryover |
開発した手を磨く教材の原型は完成し、形としてはほぼ出来上がっているが、最終の完成までは至っていないため、支払いを翌年に持ち越したことで、残金が生じた。残金は、次年度の教材完成時の支払いに使用予定である。
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