2022 Fiscal Year Research-status Report
Examination of conceptual model of mental health promotion in children with chronic diseases
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22K11019
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
飯尾 美沙 関東学院大学, 看護学部, 講師 (50709011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 真弓 関東学院大学, 看護学部, 教授 (40294558)
成田 雅美 杏林大学, 医学部, 教授 (70313129)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ポジティブメンタルヘルス / ウェルビーイング / コーピング / 小児慢性疾患児 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究では、小児期から現在も小児慢性疾患のある者、および小児期に慢性疾患を経験した者における、小児慢性疾患に伴うポジティブメンタルヘルスにつながる要因について、質的に検討することを目的とした。 小児期に小児慢性疾患を患った満19歳~22歳の大学生10名に対して、半構造化インタビューを1回実施した。調査項目は、基本属性、小児期の疾患体験、小児期に実施していたコーピング、小児慢性疾患に伴う生活におけるウェルビーイングであった。データ分析は、録音した音声データを逐語録化し、NVivoを用いてテーマ分析を実施した。 対象者が小児期に経験した慢性疾患は、小児がん、アレルギー疾患、難病指定疾患であった。小児慢性疾患に伴うポジティブメンタルヘルスにつながる要因は、393コードから、7テーマ(positive coping, proactive coping, negative coping, eudaimonia, hedonia, independence, and awareness)、21カテゴリー、70サブカテゴリーが抽出された。テーマティックマップでは、2領域(protective factors and well-being)、3区分(individual, family, and community/society)が提示された。 ウェルビーイングには人生の意味、保護要因にはストレス対処が含まれていた。慢性疾患の子どもにとって、地域・社会で生活を営むうえで楽観性が重要となるだけでなく、医療者は共生志向を強化するための対処方略を見つけるためのサポートが必要である。遊びや学習など、子どもの生活の中の些細なこと・小さなことを大切にする支援が重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題申請時の計画通り、2022年度の質的調査が実施できた。さらには、結果の分析・まとめまで終了し、国際学会発表の登録、(学会発表採択後に)国際誌への論文投稿まで行えた。 2023年度は2022年度の質的調査結果を基に、WEB調査の質問項目を作成するため、その作業も概ね終了した。今年度も計画通りのWEB調査を実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は計画通り、研究倫理審査委員会への申請後、小児慢性疾患児の医療に携わる専門職(医師・看護師・心理職)を対象にWEB調査を実施する。調査依頼は全国の小児科専門医基幹施設に郵送にて行なうが、調査はWEBにて実施する。 データ分析は記述統計、探索的因子分析を行ない、医療者が捉えた小児慢性疾患児のポジティブメンタルヘルスにつながる要因について、量的に検討する。さらに、最終年度(2024年度)の研究に向けて、結果のまとめ、学会発表の準備等を行なう。 2022年度の研究成果の公表として、国際学会発表(American Psychological Association 2023 @Washington DC)とともに、国際誌の論文掲載に向けた投稿(再投稿)を行う。
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Causes of Carryover |
調査対象者が予定よりも少なく、謝礼として計上していた額より実際は少なくなったため、余剰金が生じた。また、新型コロナウイルス感染対策として、対面またはオンラインのインタビューを実施したが、対面でのインタビュー希望者が多く、郵送費等が予定よりも少なくなったことから、余剰金が生じた。 次年度は国際学会の参加のため、海外旅費の費用が多くかかることから、余剰分は海外旅費に当てることとする。
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