2023 Fiscal Year Research-status Report
肥満関連SNPと小児肥満の縦断的な関連性及び環境因子との交互作用の解析
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22K11063
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
栄徳 勝光 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 講師 (50552733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JP NawAwn 高知大学, 医学部, 特任助教 (00835093)
滿田 直美 高知大学, 医学部, 特任助教 (30611389)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 一塩基多型(SNP) / 小児肥満 / 出生コホート研究 / 遺伝環境交互作用解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の高知大学拠点で追跡調査を担当する6,464名のうち、8歳学童期検査に参加して血液検査を実施した研究対象者の肥満関連SNPと肥満の関連を調べる。2019年度から2022年度までの4年間に2192名の参加者が8歳学童期検査に参加した。本研究は、エコチル調査高知ユニットセンターで実施した追加調査にて、採血を実施した小学校2年生1371人を対象とした。 白血球から抽出したゲノムDNAを用いて、TaqManプローブによるSNP解析を行った。肥満関連SNPsとして、FTO rs9939609, MC4R rs17782313およびADRB3 rs4994を解析した。小児肥満は体格測定値からBMIを算出し、日本小児内分泌学会・日本成長学会が作成した日本人のBMIパーセンタイル曲線に基づきBMI zスコアを算出し、90パーセンタイル以上を小児肥満と定義した。 FTO rs9939609, MC4R rs17782313およびADRB3 rs4994のマイナーアリル頻度 (MAFs) は、先行研究で報告された日本人集団のMAFsと一致した。FTO rs9939609およびADRB3 rs4994と小児肥満との間には、統計的に有意な関連が認められなかった。一方、MC4R rs17782313と小児肥満との間に、統計的に有意な関連が認められた。 本研究の強みは、先行研究と合致した対立遺伝子頻度に裏打ちされるTaqMan qPCRシステムによる正確なSNPジェノタイピング、比較的高頻度な対立遺伝子頻度、正確に計測された身長体重計測値を使用している点が挙げられる。一方で、研究の限界としてはサンプルサイズが小さい点が挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
収集した全ての検体について遺伝子型を決定し、小児肥満との関連を解析することができたことから、当初の計画通り概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
エコチル調査で過去に得られたデータと連結して、交互作用解析等を行い、成果発表を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行の影響により、予定した検体数よりも少ない検体数となったことで、当初計画した分析に要した消耗品費が予定より少なくて済んだ。次年度使用額については論文発表に向けた追加的な検討等に充当することを計画している。
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Research Products
(27 results)