2023 Fiscal Year Research-status Report
母親の抱っこ時の身体不調を予防するための遠隔姿勢評価・支援システムの開発
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22K11064
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
佐藤 珠美 佐賀大学, 医学部, 客員研究員 (50274600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 修 佐賀大学, 理工学部, 教授 (20357891)
山口 暢彦 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (80363422)
中野 理佳 佐賀大学, 医学部, 准教授 (80588707)
坂本 飛鳥 西九州大学, リハビリテーション学部, 講師 (90758715)
YEOH WEN・LIANG 佐賀大学, 理工学部, 助教 (10898092)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 産後 / 抱っこ / 不良姿勢 / 身体不調 / 予防 / 遠隔姿勢評価 / 支援システム |
Outline of Annual Research Achievements |
不良姿勢と身体不調との関連の検討では、産後1~3か月と4~6か月の母子29組(初産婦18名、経産婦11名)を対象とした。抱っこでの悩みは22名が有りと回答し、1日5時間以上の抱っこが10名あった。抱っこでの困り事では「のけ反る」が19名と最も多かった。健康関連SF-8では、標準スコアリング方法に基づき8つの下位尺度得点とサマリースコアを算出した。8つの下位尺度の中央値はBPが37.1、GHが43.0、VTが47.4、RPが47.8、PFが48.7、REが49.0の6項目で、サマリースコアではPCSの44.7が、国民標準値50点未満を示した。Hand20の総スコアでは上肢機能障害が疑われる13.1点以上が11名(37.9%)あった。各関節・筋肉痛のスコアとSF-8のBPスコアの関連について検討し、肩関節痛(ρ=-0.50),手首関節痛(ρ=-0.42)、頸周囲筋肉痛(ρ=-0.45)、肩筋肉痛(ρ=-0.50)、合計点(ρ=-0.64)が有意な関連があった。抱っこしない時の基本姿勢がノーマルだったのは13名あったが、1名を残し、横抱き、縦抱きで不良姿勢に変化した。妊娠期からの姿勢悪化に加え、抱っこでの不良姿勢と抱き方が上半身の不調を招いたと思われる。 また、抱っこ姿勢判定アプリの開発について、2023年度は専門家による母子29組の抱っこ姿勢画像のアドバイスデータ収集を行った。更に、収集したアドバイスデータを基にモーションキャプチャー技術BlazePoseとスマートフォンを用いた抱っこ姿勢判定アプリ「AI抱っこ」の開発・精度検証を行い、検証結果について学会発表を行った。 2024年度は、抱っこ姿勢画像のクラウド収集システムを開発し、抱っこ姿勢画像の収集を重ね「AI抱っこ」の精度向上を図る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題3の不良姿勢の遠隔評価・支援方法の開発に入る前に、課題1の不良姿勢と身体不調との関連の検討において、AI判定の精度を上げるために、不良姿勢と判定した根拠の形式知化を十分に進めることとした。また、アプリの実証を進めるなかで、経産婦も対象とする必要性、調査過程で専門家であっても抱っこでの不良姿勢は仕方がないものと考えている人が少なくなく、専門家や子育て支援者を含めた研究が必要であることが明らかになった。他に新型コロナの感染の散発、季節性インフルエンザの流行などもあり、調査のタイミングが難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1)横抱きの姿勢判定のアプリを開発する。 2)抱っこの姿勢判定アプリでは、母の骨格に児の情報を加え、判定の精度を高める。 3)ひとつの町の協力を得て、母子50組を対象に、AI抱っこ姿勢判定アプリを用いて、生後2ヶ月健診、生後4ヶ月健診、生後6ヶ月でのフォローアップ、計3回の縦断調査を行うととに介入効果を検討する。加えて、子育て支援者を対象に、AI抱っこ姿勢判定アプリを活用した教育法を開発する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:①対象を60名とする予定であったが、少産化とコロナ禍の影響により30名とした。②モーションキャプチャーを購入予定であったが、写真からの3次元推定技術が進歩したことで、必要なくなった。③抱っこ姿勢判定アプリのバグを改善するために抱っこ姿勢の画像を収集する作業を優先し、不良姿勢の遠隔評価・支援方法の開発は次年度に変更した。研究代表者の手指の骨折により研究活動を進められなかったことの影響もある。これにより、電子ブックの製作も次年度に持ち越した。④不良姿勢によるモデリングでは、次年度に横抱きを検討する。 使用計画:不良姿勢の遠隔評価・支援方法の開発に向けて、一つの町をモデルに生後2ヶ月健診、4ヶ月健診でのAI姿勢判定を活用した指導および支援システムを開発する。横抱きの姿勢判定アプリの開発に加え、母親の骨格の判定に子の情報を加え、精度を高める。これらに合わせてAI抱っこを姿勢判定アプリを活用した指導ができる人材の育成を行う。
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[Presentation] Baby-Holding Posture Determination System using Pose Estimation2023
Author(s)
Yuki Matsunaga, Koki Nakano, Nobuhiko Yamaguchi, Osamu Fukuda, Hiroshi Okumura, Wen Liang Yeoh, Tamami Sato, Rika Nakano and Asuka Sakamoto
Organizer
The 13th International Workshop on Networking, Computing, Systems, and Software (NCSS)
Int'l Joint Research
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