2023 Fiscal Year Research-status Report
看護師の認知症イメージの好転に向けた認知的評価と認知症知識の関連検証
Project/Area Number |
22K11091
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
村上 章 富山県立大学, 看護学部, 助教 (80906892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 登美子 富山県立大学, 看護学部, 教授 (40248860) [Withdrawn]
米山 真理 富山県立大学, 看護学部, 助教 (60846161)
比嘉 勇人 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (70267871)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 認知症看護 / 看護師 / 臨床判断 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、看護師の認知症イメージと認知症症状に対する看護師の認知的評価の関連を検討することである。2023年度は、認知症イメージに関する尺度として、認知症看護における臨床判断能力を測定することのできる尺度開発に着手した。取り組んだ内容は次の通りである。①認知症看護における臨床判断能力の概念の明確化、②認知症看護における臨床判断能力尺度の信頼性および妥当性の検討
①については、日本における認知症高齢者を看護する看護師の体験の様相を明らかにすることを目的に、Noblit&Hareのメタ統合法を用いた文献研究を行った。分析対象となった文献は21件(和文20件、欧文1件)であった。分析の結果、138コードの体験が抽出され、55サブカテゴリー、15カテゴリー、5コアカテゴリーに統合された。日本における認知症高齢者を看護する看護師の体験は、【看護上の課題への直面】【認知症当事者の視点に立った看護の模索】【管理の視点で看護に取組む】【認知症当事者の未来を見据えた看護】【認知症看護への看護観の円熟に向かう】であった。
②については、先ず、①の結果をを基に55項目の尺度原案を作成した。なお、尺度原案の作成では、Tannerの臨床判断モデル改訂版を参考に、「臨床判断の前提」も含め、「気づき」「解釈」「反応」「省察」の5つの概念に合致する内容 を集めた。次に、内容妥当性を確認するため、認知症看護の実践家と研究者8名による専門家会議を行い、56項目に修正した。その後、認知症看護の経験を有する看護師100名を対象としたパイロットスタディを行い、全ての設問に欠損なく回答できること、特定の選択肢へ回答が偏らないことを確認した。今後、大規模調査を実施し、尺度の信頼性および妥当性の検証を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、尺度の開発を終え、質問紙を用いた大規模調査を実施する予定であった。現段階では、尺度開発の途中であるため、「やや遅れている」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、尺度開発を進めていく。具体的には、先ず、認知症看護における臨床判断能力尺度の信頼性および妥当性の検討を行う。その後、尺度の有効性を検討するための研究に取り組む。また、それぞれの研究に関する成果報告を行う。
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Causes of Carryover |
データ収集にWeb調査会社を使用することとし、その委託料を捻出するため、今年度は支出を控えた。そのため、737,008円の残高が生じた。残高については、次年度に予定しているWeb調査費用やデータ分析、成果発表に要する費用に加算し使用する。
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