2022 Fiscal Year Research-status Report
在宅がん患者の看取りを支える「家族コミットメント」アセスメントツールの開発
Project/Area Number |
22K11104
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Research Institution | Fukuyama Heisei University |
Principal Investigator |
内田 史江 福山平成大学, 看護学部, 教授 (10521817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷垣 靜子 岡山大学, 保健学域, 教授 (80263143)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | コミットメント / 家族 / 終末期 / がん患者 / 在宅看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
在宅を希望するがん患者の看取りを促進するには、終末期を支える家族が状況の変化に対処していけるよう支援することが重要となる。本研究は、「家族コミットメント」を具体化し、在宅終末期のがん患者を支える家族支援の必要性を判断する際のアセスメント項目を標準化することが目的である。コンセンサスの得られた「家族コミットメント」のアセスメントツールを活用することは、看護師独自の判断と介入が必要となる訪問場面において、誰もが簡便かつ客観的に判断できる有用なツールになり得る。 当該年度は、アセスメントツールの開発プロセスにおける第1段階として、文献調査から在宅で看取りに臨む「家族コミットメント」の概念分析を行い、概念構造の解明と再定義を試みた。概念分析の結果、家族のコミットメントは,情緒的な結びつきを主体として、能動的な介護行動に移行することや最終的な看取り場面での意思決定を含んでいることが明らかとなった。また、在宅における終末期ケアにおいて家族の状況を適切に判断し,効果的な支援に結び付ける上で「家族コミットメント」は有用な概念であることが示された。第2段階では、終末期がん患者の家族支援を行う訪問看護師を対象に「家族コミットメント」に関するインタビュー調査を行うために倫理審査委員会の承認を受け、研究協力の依頼を行っている。今後、インタビュー調査を実施し、2023年度中にアセスメント項目の抽出をおこなう予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、概念分析による概念構造の解明とその有用性を検討したうえで、フィールド調査の段階に着手できている。
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Strategy for Future Research Activity |
訪問看護師へのインタビュー調査を実施し、データ収集を行う。次いで、アセスメントツールの原案作成にむけた内容分析を行うと共に文献検討を重ね、アセスメント項目の抽出と精緻化を図る。2023年度の後半にはデルファイ法による内容妥当性の検討が実施できるよう準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
計画の段階では、研究者間の会議を対面で実施予定であったが、COVID-19の影響によりオンライン会議に切り替えての実施となり、経費を翌年度に繰り越す必要が生じた。 翌年度は、前年度からの繰り越しでインタビュー調査の実施とデータ分析を執行する。また、対面での研究者会議を実施して議論を深めていく。
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