2022 Fiscal Year Research-status Report
新規尺度による看護学生・高齢者ケア従事者の共感的態度測定と評価に基づく教育実践
Project/Area Number |
22K11115
|
Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
狩野 太郎 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (30312896)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 友紀 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (20341802)
福島 昌子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (20352619)
上山 真美 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 准教授 (90451723)
関 妙子 群馬パース大学, 看護学部, 准教授 (10352626)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | 教育効果測定 / 看護学生 / 高齢者 / 評価尺度 / 共感的態度 |
Outline of Annual Research Achievements |
R4年度は本研究で用いる高齢者イメージ・態度スケール(以下、本スケール)の妥当性に関する追加調査として、看護学生35名を対象に、Attitudes Towards the Elderly (Kogan N.,1961)(日本語版:Ogiwara S.,2007)を用いて基準関連妥当性の検討を行った。KATOP日本語版と本スケールの総合得点はr=0.46、下位尺度「生き方の理解」はr=0.47、「外見変化」はr=0.50と有意な相関が見られた一方、「コミュニケーションスキル」はr=0.27を示し、有意な相関は見られなかった。下位尺度「コミュニケーションスキル」については、高齢者との言語的・非言語的コミュニケーションに関する自身の態度を評価する質問項目であるため、ageismの観点から質問項目が構成されているKATOPとは相関が見られなかったものと思われる。 R4年度の調査の結果、本スケールの基準関連妥当性に関する知見を追加することができた。また、先行評価スケールでは扱われてこなかった高齢者との言語的・非言語的コミュニケーションに関する自身の態度評価項目である「コミュニケーションスキル」がKATOPと全く相関しなかったことから、この下位尺度の新規性やユニークさが明らかになったと共に、今後の研究過程ではさらなる妥当性の検討や有用性の検討が必要であることが明らかとなった。なお、本尺度については、昨年度投稿後、掲載に至らず投稿プロセスが中断したため、今年度早期に加筆修正の上、投稿先を変更の上、再投稿の予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で用いる評価尺度の投稿過程で妥当性に関する検討をさらに強化する必要が生じたため、看護学生や介護士に対する調査を開始する前に基準関連妥当性の検討を追加した。これに伴い、看護学生と介護士を対象とした調査の開始が1年遅れ、研究計画全体としてはやや遅れが生じる結果となった。現在は看護学生向け調査が倫理審査を通過し、順次調査を開始するところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
R5年度より、2大学の看護学生、1学年各80名を対象とした調査を4年間にわたって実施する。これにより、学年進行に伴う看護学生の高齢者に対するイメージや態度の変化を観察するとともに、授業内容の見直しによる影響を学年間比較により検討する。 介護士を対象とした縦断的調査については、R4年度はコロナ禍の影響により着手できなかったが、R5年度の夏期から秋期にかけて研究開始に向けた調整を行い、準備が整い次第調査や研修を開始する予定である。
|
Causes of Carryover |
R4年度は、当初予定していた学生対象調査および、介護職員を対象とした調査がコロナ禍の影響等により開始できなかったため、調査費用や研究報告関連の費用を執行しなかったため次年度に繰り越して使用することとなった。
|