2023 Fiscal Year Research-status Report
サポートを要する高齢者の日常生活における熱中症防止に向けた取り組み
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22K11165
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Research Institution | Osaka Shin-Ai Gakuin University |
Principal Investigator |
上田 博之 大阪信愛学院大学, 看護学部看護学科, 教授 (00203448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊島 めぐみ 梅花女子大学, 看護保健学部, 講師 (70773274) [Withdrawn]
田中 希穂 同志社大学, 免許資格課程センター, 教授 (40399043)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 在宅高齢者 / 要支援 / 要介護 / 熱中症 |
Outline of Annual Research Achievements |
Low Power Wide Area Networkを利用して測定した温湿度をクラウドに保存することで、高齢者の居室温湿度情報を遠隔で把握可能となったので、本年度は、クラウドに保存されたそれらの情報をグラフ化し、訪問する看護師が自由に閲覧できる環境を訪問看護センターに提供した。提供した情報を利用した訪問看護師から、その提供・利用に関して調査を行った。居室温湿度情報提供については、居室の換気が行いにくい環境にあるなどで夏季の居室の温湿度上昇が予想される在宅高齢者10名に協力を得て、7~9月に居室の温湿度を経時的に測定した。協力者は独居または高齢者夫婦世帯の70~90歳代の要支援・要介護高齢者で、外出はほとんどせずに1日の大半を居室で過ごし、訪問看護のサービスを受けていた。協力者の支援に関わる訪問看護師は計13名(訪問看護経験1~11年)であった。5名の看護師は、協力者の居室温湿度の推移をタブレット端末または印刷して協力者に見せて熱中症予防対策を促した。これらの場合で「温湿度変化を提示することにより水分補給やエアコン使用の必要性を実感させることができた」など熱中症対策の意識づけに役立った一方、「一時的には役立ったが協力者者の行動を変容させるには至らない」との意見があった。他の6名の看護師も水分補給とエアコン使用の熱中症注意喚起を積極的に行っており、居室の温湿度変化の情報は熱中症予防対策に有用であると考えていたが、訪問前に協力者の居室の温湿度情報を必ずしも確認しなかった。遠隔で継続的に取得した居室温湿度などの情報を共有するシステムは、介護者や支援者の意識を高め、要支援高齢者の熱中症防止に活用することができると考えられる。しかし、訪問する看護・介護者や別居家族がネットワークへ容易にアクセスできるなど容易にアセスメントにつなげる方法についてはさらに検討を重ねなければならない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高齢者の居室温湿度情報を安価なLow Power Wide Area Networkを利用してクラウドに保存、 グラフ化して訪問する看護師が自由に閲覧できる環境を訪問看護センターに提供するなど、おおむね順調に推移している。調査から訪問する看護師・介護師または別居家族が要サポート在宅高齢者の熱中症防止のために適切なアセスメントを行えるように、有効な情報量を増やすことを検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、Low Power Wide Area Networkなど安価な方法でデータ共有した情報から脱水防止アセスメントにつなげる方策について検討を進める。市販のディバイスを用いて関連要因情報を増やし、容易に情報にアクセスして適切なアセスメントをできる方法を提案する。
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Causes of Carryover |
市販の健康器具(体組成計など)で測定した情報をLow Power Wide Area Networkでデータを共有できる方法を検討するために、新たな機器の購入とネットワーク使用を継続する。
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