2022 Fiscal Year Research-status Report
精神障害者を対象とした訪問看護の質向上のための研修プログラムの開発
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22K11177
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
小西 美里 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (10458440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 浩子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (40234950)
大澤 真奈美 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (50331335)
飯田 苗恵 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (80272269)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 精神科訪問看護 / 看護師 / 家族ケア / 研修プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、精神障害者を対象とする訪問看護師にとって解決の必要性の高い課題を検討し、訪問看護師のニーズに基づいた研修プログラムを開発することを目的としている。 精神科訪問看護の対象は、精神障害者とその家族であり、訪問看護師には家族も含めた質の高いケアが求められている。しなしながら、訪問看護師が、家族の現実的な問題をどう支援すれば良いのか分からないと困惑している現状が示されいる(飯村ら,2009)。 そこで、本年度は、精神科訪問看護を実施する看護師の家族ケアの困難さの特徴を明らかにし、精神科訪問看護の家族ケアの質向上に向けた課題を検討することを目的に文献調査を実施した。選定した20文献から精神科訪問看護を実施する看護師の家族ケアの困難さに関する記述を抽出した結果、【家族の理解不足に関する困難】【精神的健康問題をもつ家族への対応に関する困難】【家族間の関係調整に関する困難】【家族との関係構築に関する困難】の4つの特徴に集約された。そのうち、【家族の理解不足に関する困難】の記述が最も多く、家族に疾患の理解を得ることが難しい、何のために訪問看護を導入するのかを家族に理解してもらえない等の困難さが抽出された。また、看護師の家族への説明の困難さもあった。そこから、精神科訪問看護の家族ケアの質向上に向けて、看護師には家族の理解状況を把握する力や様々な問題をもつ家族の特性に合わせた対応力が求められることが示唆された。 本調査により、精神科訪問看護を実施する看護師がこれらの能力を高められるようなアプローチを検討する必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R4年度は、精神科訪問看護における現状と課題を把握するために、文献調査とインタビュー調査を計画していた。コロナウイルスの感染拡大により訪問看護師を対象としたインタビュー調査が未実施となったが、文献調査を通じて、現状と課題を把握するための基礎資料を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、訪問看護師のニーズに基づいた研修プログラムを開発するために、精神障害者を対象とする訪問看護師にとって解決の必要性の高い課題を検討していく。そのために、訪問看護師の家族ケアの困難さに関する基礎資料を基に、今後は調査項目を検討し、精神科訪問看護を実施する訪問看護師を対象とした質問紙調査を進めていく方針である。
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Causes of Carryover |
R4年度は、精神科訪問看護における現状と課題を把握するために、文献調査とインタビュー調査を計画していた。しかし、コロナウイルスの感染拡大により訪問看護師を対象としたインタビュー調査が未実施となったため、インタビュー調査の使用予定額が次年度使用額となった。当該助成金については、予備費として、物品費・旅費・謝金等の経費に補填する計画とした。
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