2023 Fiscal Year Research-status Report
Study on building a sustainable health and productivity management framework by fostering a culture of health
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22K11207
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
津野 陽子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (50584009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 克彦 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80752162)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 健康経営 / 生産性 / 健康文化 / 医療機関 |
Outline of Annual Research Achievements |
病院組織と共同研究2年目となり、研究者と病院組織とで定期的に会議を持ちながら研究遂行してきている。今年度は、従業員の生産性と健康文化を測定する病院職員へのアンケート調査を実施した。人事・健診情報に生産性指標のプレゼンティーイズム・アブセンティーイズムのアンケート調査データを突合した研究データを作成した。生産性指標と従業員視点の健康文化の醸成度の分析、健康課題の可視化、健康リスクと生産性の関連の分析を行った。さらに、1時点追加となる2年間の縦断データにより経年変化の分析を実施した。 健康関連コストの1人あたり平均は約98万円/年であり、そのうち91.4%(医療費含まれない)がプレゼンティーイズム損失コストであった。健康リスクが悪化するほどプレゼンティーイズムも有意に悪化しており、低リスクと高リスクでプレゼンティーイズムは約10%差があり、アブセンティーイズムは約3日差があった。プレゼンティーイズムとの関連は、心理的リスク項目、睡眠休養、朝食欠食と有意な関連があり、いずれもリスクがあるほどプレゼンティーイズムは低下していた。特にリスクの有無で差が大きいのは高ストレス者で、プレゼンティーイズムは12.5%低く、アブセンティーイズムは12.4日多くなっていた。 健康経営フレームワークについては、本研究にて病院組織との共同研究において作成した研究データにより健康課題の可視化、健康リスクと生産性の関連、経年変化の分析と、組織特性に応じたアウトカム指標の文献検討により、健康経営フレームワーク案を構築したので、次年度からさらにフレームワークの検証を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
病院組織と共同研究が開始となり、当初計画通り進んでいると言える。研究者間で月1回以上定期的に勉強会を開催しながら進めており、研究成果の確認と進捗管理を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
1時点追加となる2年間の縦断データにより効果測定に関する分析を実施する。健康リスクの改善が生産性の変化につながるか、効果測定を検証する。 医療機関の組織特性に応じたアウトカム指標としてケアの質・患者の安全、転倒・転落、投薬ミス、ヒヤリハット、患者満足度などを設定し、組織レベルと個人レベルでアウトカムを検証していくことを今後の研究課題とすることを検討している。共同研究組織と、次年度以降、健康経営の効果測定として測定できるか検討していく。 継続して研究者と共同研究組織と勉強会や定期的な会議により研究成果の共有や検討を実施していく。
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Causes of Carryover |
Web調査を自前で作成したため、アンケート調査費用が発生しなかったこと、研究者会議をオンラインで実施したため予定していた旅費を使用しなかった。次年度は研究成果公表のホームページ作成や学会発表、共同研究先との3年目の調査実施に研究費を使用していく。
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